(ブルームバーグ):1月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比上昇率が縮小したものの、日本銀行が目標とする2%台を維持した。市場予想と一致し、日銀の利上げ路線は継続されそうだ。
総務省の20日の発表によると、コアCPIは前年比2.0%上昇した。前月は2.4%上昇だった。日銀目標の2%以上となるのは45カ月連続。政府のガソリン暫定税率廃止に伴い、エネルギー価格は5.2%低下と前月(3.1%低下)から下落幅が拡大した。生鮮食品を除く食料は6.2%上昇と前月(6.7%上昇)から伸びが縮小した。
生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは2.6%上昇と前月の2.9%上昇を下回った。市場予想は2.7%上昇だった。総合指数は1.5%上昇と前月の2.1%上昇から伸びが大きく鈍化した。日銀が物価目標の対象とする総合が2%を下回るのは、2022年3月以来、3年10カ月ぶり。市場予想は1.6%上昇だった。
日銀は1月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、コアCPIは今年前半には2%を下回る水準までプラス幅を縮小していくとの見通しを示した。コメなどの食料品価格の落ち着きや政府の物価高対策の効果を理由に挙げており、今回の結果は日銀の想定内の動きと言える。
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは、2月から4月にかけては電気代・ガス代の補助金再開などの影響も加わり、「コアで明確に2%を割ってくるだろう」とみる。「コアコアが2%台にとどまっていれば日銀の見通し通りで、金融政策は利上げ方向」とし、次の利上げ時期は為替動向次第とした上で現時点では4月と予想している。
統計発表後、東京外国為替市場の円相場は一時対ドルで155円24銭まで円安に振れた。発表前は154円90銭台で推移していた。米国の経済指標が強い内容となり、早期利下げ期待が後退しているほか、全国CPIの伸びが予想通り鈍化したことが円のマイナス材料になっている。
賃金動向を反映しやすいサービス価格は1.4%上昇となり、伸びは前月から横ばい。高水準の企業収益などを背景に、今年の賃上げも昨年と同様に高水準が見込まれており、賃上げを伴った物価上昇が定着していくかが注目されている。
総務省の説明:
- コアCPIの鈍化に最も大きく寄与したエネルギーは、ガソリン暫定税率廃止の影響を主因に下落幅が拡大
- 前年に行われた補助金効果のはく落分も含め、政策によるエネルギーの押し下げ寄与は総合で0.08ポイント、コアで0.09ポイント
- 生鮮食品を除く食料は、昨年8月から6カ月連続でプラス幅が縮小。昨年上昇したコメ類の伸び率縮小が要因
- 総合の押し下げ要因となった生鮮食品は、キャベツやハクサイなどで前年に価格が上昇した反動
(エコノミストのコメントと総務省の説明を追加して更新しました)
--取材協力:氏兼敬子.
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.