(ブルームバーグ):米ニューヨーク市のマムダニ市長は、ホークル州知事に追加財源を迫るための最後の手段として、固定資産税を10%近くに引き上げる可能性を示した。
ただ、11月に再選を目指すホークル氏は、企業や富裕層への増税を拒否する姿勢を崩しておらず、現時点で税率を引き上げる理由はないと繰り返し述べている。市議会の指導部も固定資産税引き上げに強く反対している。実施には市議会の承認が必要となる。
マムダニ氏は、保育無償化や市内バスの無料化、家賃凍結といった公約を掲げ、生活費が高騰するニューヨークの市民の期待を追い風に当選した。17日に公表した1270億ドル(約20兆円)規模の歳出計画は、州政府からの協力を常に必要とする進歩的政策を実現する上で、市の予算の現実が障害となり得ることを初めて示す内容となった。
同氏の計画は賭けだ。熱狂的な支持基盤や議会の盟友、自身のカリスマ性、SNS上の多数の支持者をてこに、選挙の年に増税しないと繰り返し約束してきたホークル氏を説得できるかと踏んでいる。ホークル氏は先月公表した予算案に大幅な増税を盛り込んでいない。
市長としてマムダニ氏が単独で歳入を増やす権限は限られており、所得税や法人税の引き上げには州議会と州知事に頼らざるを得ない。固定資産税率の引き上げ案は、ホークル氏が今週16日に計上した15億ドルを上回る追加資金を提供しない場合の「最後の手段」と位置付けられている。実施されれば、300万超の住宅と10万超の商業物件に影響が及ぶ。
マムダニ氏は「財政均衡のためにこれほど抜本的な措置に頼りたくはない。だが他に選択肢がなければ、そうせざるを得ない」と述べた。
今回の提案は不動産業界や地元の市民団体、一部の民主党市議から強い反発を招いた。市で最も裕福な層よりも低所得者や中間層により大きな影響を及ぼす可能性があるとの指摘もあり、これはマムダニ氏自身が是正を誓ってきた不公平に当たる。
市議会のウィリアムズ副議長は「固定資産税制度の改革なしに税率引き上げを議論するのは無責任だ」とし、「可決は非常に難しいだろう」とインタビューで述べた。
マムダニ氏が示した7月1日に始まる会計年度の予算案には、無料バス、市営食料品店、警察に代わって一部の精神保健関連通報に対応する新部署への予算措置は盛り込まれなかった。一部については4月の予算修正で盛り込む予定だと市当局者は説明している。一方、保育政策の一部については、ホークル氏から投資を確保できており、2歳児向けに無償の選択肢を提供する。
マムダニ氏はまた、アダムズ前市長によるサービス関連予算の過少計上が原因だとする約50億ドルの財政赤字を解消しなければならない。ニューヨーク市は他の多くの自治体と同様、均衡予算が義務付けられている。
原題:Mamdani Threatens NYC Property Tax Hike to Fill Budget Hole (2)(抜粋)
--取材協力:Danielle Muoio Dunn、Nacha Cattan、Michelle Kaske、Elizabeth Campbell、Patrick Clark.
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