米アップルは人工知能(AI)を組み込んだハードウエアへのシフトの一環として、3種類の新たなウェアラブル端末の開発を加速している。こうした分野はOpenAIやメタ・プラットフォームズも取り組んでいる。

事情に詳しい関係者によると、同社はスマートグラスのほか、シャツに留めたりネックレスのように身に着けたりできるペンダント型の端末や、AI機能を強化したワイヤレスイヤホン「AirPods」の開発を本格化している。3製品はいずれもAIアシスタント「Siri」を中核に据え、視覚情報を活用して操作や指示を実行する仕組みになるという。

これらの製品はiPhoneと連携し、それぞれ異なる性能のカメラシステムを搭載する見通しだ。非公開情報であることを理由に関係者は匿名で語った。アップルの広報担当者はコメントを差し控えた。

AirPodsとペンダントは、よりシンプルな製品として位置づけられており、写真や動画の撮影ではなく、AIの動作を補助するための低解像度カメラを搭載するという。一方、スマートグラスはより高価格帯で、多機能な仕様になる見込みだ。

アップルのティム・クックCEO

ティム・クック最高経営責任者(CEO)は今月初めに開かれた全社員向け会議で、AIデバイス分野に本格的に踏み込む考えを示唆。AIによって実現する新たな「製品カテゴリー」に取り組んでいるとしたうえで、「非常に大きな期待を寄せている」と述べていた。

アップルはAI分野では出遅れが目立ち、特にSiriの刷新は大きな課題となっている。刷新は過去数週間のテスト段階でつまずき、期待されていた複数の新機能の投入が後ずれする可能性も出ている。

長期的には、AIの進化によりスマートフォンの使い方は変化し、さまざまな機能が周辺機器へと分散していくとみられている。メタのスマートグラスはすでに一定の成功を収めており、OpenAIも元アップルのデザイン責任者ジョニー・アイブ氏らと連携し、ウェアラブルを含む一連のデバイスを開発している。

アップルはこの分野での成功モデルを探ってきたが、「Vision Pro」ヘッドセットは消費者の幅広い支持を得るには至らなかった。今回のウェアラブル分野への本格的な取り組み加速は、同社エコシステムへの囲い込みを維持・強化する狙いがあるとみられる。

原題:Apple Ramps Up Work on AI Glasses, Pendant and Camera AirPods(抜粋)

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