(ブルームバーグ):クスリのアオキホールディングスは臨時株主総会を17日に開催し、買収防衛策の導入案を賛成多数で可決した。物言う株主の反対を押し切り、創業家主導の経営体制が強化される形となった。
石川県白山市で行われた臨時総会で議案が可決されたと、同社のIR担当者がブルームバーグの取材に対して明らかにした。賛成率は55.5%。出席者数は75人で、総会時間は1時間43分だった。
導入案の可決を受け、同社は議決権ベースで20%以上となる株の買い付けに事前報告を求める。従わない場合には新株予約権を発行する。
同議案を巡っては、香港のヘッジファンド、オアシス・マネジメントが少数株主の利益が保護されないとして、株主に反対するよう要請。米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)とグラス・ルイスも反対票を投じるよう推奨していた。
議案可決の報道を受け、同社株は下げ幅を拡大し、一時9%安と2022年12月以来の日中下落率を記録した。
アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは、市場区分の変更を含め「ガバナンス面で少し灰色っぽい」とし、開かれた形で会社の成長戦略が議論され、株主利益のために経営がなされていくのか疑念が出たと指摘。既存の投資家から利益確定売りが出た可能性があると話す。
経営陣の保身につながるとの懸念から、コーポレート・ガバナンス(企業統治)を重視する機関投資家の買収防衛策に対する視線は厳しさを増している。大和総研によると、買収防衛策の導入社数は08年をピークに減少傾向にあり、薬のアオキの動きは日本企業の潮流に逆行する。
企業の合併・買収(M&A)が活発化し、企業価値の向上が求められる中、市場の評価次第では買収防衛策の妥当性が改めて議論となる可能性もある。薬のアオキを巡っては、筆頭株主のイオンと資本業務提携を解消するなど緊張が高まっている。
イオンの広報担当者は、個別議案の賛否や議決権行使の内容についてのコメントは差し控えるとした上で、「今後も株主共同の利益に資する経営を求めていく」と述べた。
(第2段落に総会の詳細を追加します)
--取材協力:松山かの子、吉田昂.
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