(ブルームバーグ):交流サイト(SNS)を手がける企業にとって、最近はティーンエイジャーが重要な焦点となっている。オーストラリアでは、16歳未満による主要ソーシャルメディアの利用を制限する初の法律が施行されてから2カ月が経過した。欧州の複数の国でも、同様の措置を検討する動きが広がっている。
米ロサンゼルスでは、メタ・プラットフォームズとグーグル傘下YouTube(ユーチューブ)が、10代前半ユーザーに依存をもたらしているとの訴えを受け、裁判に直面している。メタはこれに関連し、ティーン向けアカウントや各種設定をアピールするテレビCMを数多く放映している。裁判の過程で否定的な報道が広がるのを見越し、先手を打つ狙いがあるとみられる。
一連の動きには象徴的な意味合いがある。批判派は長年にわたり、ソーシャルメディアのサービスが、影響を受けやすい若年層に悪影響を及ぼしているとして、プラットフォームに対する厳格な規制を求めてきた。
企業側も、こうした禁止措置や訴訟が自社の評判に与える影響を懸念している。しかし、10代前半の利用を制限しても、巨大かつ拡大を続ける事業全体への影響は限定的とみられる。例えば、豪州で導入された16歳未満のソーシャルメディア禁止措置は、影響を受けた利用者の割合が全体から見れば極めて小さい。
1月時点で、豪州では全てのソーシャルメディアサービスで約500万件のアカウントが停止された。このうち、メタはインスタグラム、フェイスブック、スレッズで計50万件を閉鎖したと明らかにしている。もっとも、メタの1日の利用者数は世界全体では約36億人にのぼる。
スナップは、スナップチャットのアカウント40万件を削除したと明らかにしたが、同社の1日の利用者数は3億5000万人超だ。豪州でのこうしたアカウント閉鎖は、各社が抱える世界規模の利用者数と比べれば誤差の範囲にとどまる。
また若年層は、SNS企業にとって収益面での寄与は大きくない。ティーンの利用者はサービスの存在感を保つうえで一定の役割を果たすものの、一般に購買力が高いわけではなく、広告主にとって優先順位の高い層とはなりにくい。
スナップのエバン・スピーゲル最高経営責任者(CEO)は先週の決算説明会で、「18歳未満の利用者に配信された広告による世界全体の収入を見ても、その金額は業績に大きな影響を与える水準ではない」と発言。そのうえで「当社の収益創出力を踏まえれば、変化する規制環境については過度に懸念してはいない」とした。
もっとも、禁止措置が事業に与える影響は、単に表面化が遅れているだけという可能性もある。禁止措置によって切り離された若年層は、インスタグラムやスナップチャットの代わりに別のサービスに時間を費やすようになるかもしれない。やがて企業が振り返ったとき、生涯顧客となり得た世代を取り逃がしていたと気付く可能性もある。
こうした機会損失は、他国が追随すれば、さらに拡大する可能性がある。実際、同様の規制を検討する動きは欧州各国などで広がっている。
一方で、若者がインスタグラムやスナップチャットを引き続き利用できる抜け道を見つける可能性もある。あるいは、年齢制限を超えた時点でこれらのサービスを使い始めるだけかもしれない。その間、ソーシャルメディア各社は、適切な時期が来れば受け入れられるよう、待ち構えているだけだ。
原題:Teen Social Media Bans Won’t Slow Revenue: Tech In Depth(抜粋)
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