タイ下院総選挙の投票が8日に行われ、少数与党の保守政党「タイの誇り党」が予想外の勝利を収めた。王党派エスタブリッシュメント寄りの政党としては今世紀初の勝利となった一方、革新派勢力は敗北を喫することとなった。

選挙管理委員会の暫定結果によると、約82%の開票が終わった段階で、アヌティン首相率いるタイの誇り党は、全500議席のうち194議席を獲得する見通し。事前の世論調査でリードしていた革新系の「国民党」は108議席となる見込みだ。

アヌティン氏はバンコクの党本部で記者団に対し、タイの誇り党の勝利は確実だとの認識を示しつつ、連立政権樹立については、公式な選挙結果を待ってから取り組む考えを示した。一方で、国民党のナタポン・ルアンパンヤーウット党首は敗北を認めた。

今回の選挙戦は、国民党の改革路線の是非を問う事実上の国民投票と位置付けられ、現状維持を掲げるタイの誇り党と対立する構図となっていた。

国民党の敗北は、革新派にとっては劇的な展開だ。軍と連携した政権が約10年続いた後、革新派は新型コロナ禍後の不満の高まりを背景に、2023年に急速に台頭していた。

今回の選挙結果はまた、軍や王党派、経済エリートの利害が重なり合うと広く見られている保守エスタブリッシュメントの底力を改めて浮き彫りにした。国民党とその前身勢力は、そうした保守エスタブリッシュメントを批判の的としてきた。

原題:Thailand’s Royalists Secure Surprise Victory Over Progressives(抜粋)

--取材協力:Emma Clark、Randy Thanthong-Knight、Pathom Sangwongwanich、Suttinee (Ying) Yuvejwattana、Anuchit Nguyen.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.