(ブルームバーグ):欧州各国は、ソーシャルメディアに対するこれまでで最も広範な規制に踏み込みつつある。未成年者の利用禁止を検討する国が増えている。これにより、米国の大手企業の一部と新たな対決局面を迎える可能性が高い。
この政策はオーストラリアで最初に導入された。米メタ・プラットフォームズのインスタグラムとフェイスブック、スナップ、イーロン・マスク氏のX、中国の字節跳動(バイトダンス)傘下TikTok(ティックトック)、グーグルのユーチューブが対象となった。
禁止の動きは現在、欧州に広がり、規制当局が有害で依存性があると指摘するサービスから、何百万人もの若年ユーザーを遮断しかねない状況だ。こうした流れは、各社の広告収入にも打撃を与えるとみられる。
欧州での動きは、利用禁止案を打ち出したスペインのサンチェス首相とマスク氏の論戦に発展し、政治的、イデオロギー的、そして個人的な色彩が強まった。
サンチェス首相は3日にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで行った演説で、ソーシャルメディアは「機能不全国家と化している」と述べた。子どものアクセス禁止が「容易ではないことは承知している。ソーシャルメディア企業は、私の国を含む多くの国家よりも裕福で強大だ。だが、その力と権力にひるむべきではない」と語った。
これに対しマスク氏は数時間後、サンチェス氏は「スペイン国民にとって暴君であり裏切り者だ」とXに投稿した。
フランス、英国、ポルトガル、デンマーク、ギリシャ、オランダの少なくとも6カ国と欧州連合(EU)が、子どものアクセス禁止を検討しており、欧州が進む方向を指し示している。トランプ政権や米国の大企業と欧州の間の、文化的な対立を一段と激化させるものだ。
メタ、スナップ、ティックトック、ユーチューブ、Xの広報担当者はコメント要請に応じなかった。
欧州の規制当局はこれまで、独占的慣行や消費者データの吸い上げ、有害コンテンツの拡散を理由に米国のソーシャルメディア企業を繰り返し批判してきたが、反感はここ数週間で一段と強まった。
マスク氏のxAIが運営する人工知能(AI)チャットボット「Grok(グロック)」が、X上で本人の同意のない性的画像を生成したとの指摘が背景にある。多くは女性の画像だったが、一部に子どもも含まれていた。
しかし、欧州の動きは、トランプ米大統領とその周辺から強硬な反発を招く可能性がある。欧州は、技術の普及と成熟したオンライン広告システムを背景に、多くのテック企業にとって北米に次ぐ第2の市場だ。
ベルギーのシンクタンク、ブリューゲルの上級研究員、アリシア・ガルシア・エレーロ氏は「欧州はビッグテックにとっての現金創出源」であり、子供のアクセス禁止の動きは「間違いなく大きな問題になる」と述べ、米国はそれを政治的なものと受け止める可能性が高いと付け加えた。
原題:Move to Ban Social Media for Kids Gains Traction Across Europe(抜粋)
--取材協力:Mark Bergen、Benoit Berthelot、Jorge Valero、Peter Elstrom.
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