4日のアジア株式市場では、ソフトウエア銘柄を中心に売られている。人工知能(AI)の急速な進歩が従来のビジネスモデルを根底から揺るがしかねないとの懸念が広がっている。

直近で下げに見舞われているのはインドのIT銘柄だ。タタ・コンサルタンシー・サービシズは取引開始から売りが先行し一時6%安、インフォシスも米国預託証券(ADR)が売られた流れで6.2%安となった。

アジアの他の市場でも主にソフトウエア株が売り優勢となった。ただ、アジア地域はAI投資ブームの恩恵を享受してきたハードウエア、とりわけ半導体メーカーの比重が依然として大きく、半導体関連銘柄への買いがソフトウエア株への売り圧力を相殺したことでアジア地域の株価指数は持ちこたえている。

クラウド型会計ソフトメーカーのゼロ株はシドニー市場で一時15%安と、2020年3月以来の日中下落率となった。香港市場のキングソフト・クラウド株は7.6%安、東京市場では、大手システムインテグレーターの野村総合研究所株が一時10%安となったほか、ラクス株が14%急落するなど、小型のソフトウエア銘柄にも売りが波及した。

こうした動きの背景には、3日の米国市場でのソフトウエア株の下げがある。米アンソロピックが法務業務の一部を自動化する新たなAIツールを発表したことから、ソフトウエアや金融サービスの銘柄が広く下落した。

オールスプリング・グローバル・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、ゲイリー・タン氏は、「不透明感が強まる局面において、アジアのテクノロジーセクターは、収益の勢いがなお強いハードウエア分野への比重が高いことから、より良好なポジションにあるようだ」と述べた。

一方、韓国株は、AI関連の堅調な需要の恩恵を受けるサムスン電子やSKハイニックスといった大手メモリーチップメーカーがけん引し、韓国総合株価指数(KOSPI)が過去最高値を更新した。

オータス・アドバイザーズのアナリスト、アンドリュー・ジャクソン氏はリポートで、「これはソフトウエア企業にとって特に懸念すべき事態だ。AIが従来のワークフローの囲い込み型ソフトウエア・アズ・ア・サービス(SaaS)製品を完全に代替できる可能性があり、ビジネスモデルを壊滅させかねない」と指摘した。

 

中国市場はより大きな打撃を受け、ハンセンテック指数は5日続落し、一時2%超下落した。金蝶国際軟件集団株は16%安と下げを主導した。それでも投資家やアナリストは地域全体への影響を限定的だとみている。

オールスプリングのタン氏は「香港と中国の純粋なソフトウエア企業は、米国や欧州に比べれば、株価指数に占める割合が相対的に小さい」と指摘。また「米国の多くの基盤モデルは中国の国内市場へのアクセスが限られている」ため、事業が混乱する可能性も低いとみている。

原題:AI Fears Drag Asia Software Stocks Lower After US Tech Rout(抜粋)

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