(ブルームバーグ):ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)は、中国で製造した自動車の輸出を拡大する計画だ。中国では激しい価格競争が続いているが、同国の低い生産コストを活用する。
VWはすでに、中国から中東および東南アジアへ車両の出荷を開始している。さらに、中国で新たに開発したモデルをアフリカや南米でも販売することを視野に入れていると、最高経営責任者(CEO)のオリバー・ブルーメ氏はベルリンで記者団に語った。
「従来は欧州から効果的に対応できなかった地域で、中国で開発された技術と製品が新たな輸出機会をもたらす」と指摘し、「これはVWグループにとって重要な戦略的手段になる」と語った。
同社は現在、中国市場におけるプレゼンスの見直しを進めており、電気自動車(EV)分野で比亜迪(BYD)をはじめとする現地メーカーが台頭する中で、競争力の強化を図っている。研究開発拠点を中国に移すことで製造コストを大幅に削減し、ソフトウエア分野では現地メーカーの小鵬汽車と提携している。
VWは小鵬汽車と共同開発した新たな電子アーキテクチャに活路を見いだし、現地の嗜好(しこう)に対応する狙いだ。28日には、第一弾となるモデルの生産が進行中だと発表した。
とはいえ、依然として激しい競争が続いている中国市場でのシェア回復には価格設定が鍵となる。中国部門責任者ラルフ・ブランシュテッター氏は同日のイベントで、価格はおおむね安定しているが回復は見通しにくく、自社のコスト構造を適応させることで「新型モデルで利益が出せる体制を整えた」と述べた。
VWは今年を中国市場の転換の年と位置付け、電動車分野での成長を追求する一方で、販売台数は改善しない可能性があると見る。それでも、中国で引き続き3大メーカーの一角を占め、現在約11%の市場シェアを30年までに15%に引き上げることを目指す。
ブルーメ氏は、「世界のどの地域よりも、中国では自動車産業の変革が一貫して、ダイナミックかつ急速に進んでいる」と述べ、「中国で成功する者こそが、世界でも成功できる」と強調した。
原題:VW to Ramp Up Exports From China as EV Price War Hits Carmakers(抜粋)
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