米連邦公開市場委員会(FOMC)は27、28両日に開いた定例会合で、主要政策金利の据え置きを決定した。米経済の改善を指摘しつつ、今後の政策調整についてはより慎重な姿勢を示した。

FOMCは賛成10、反対2で据え置きを決定した。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは3.5-3.75%。ウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事とマイランFRB理事は0.25ポイントの利下げを主張し、反対票を投じた。

会合後に発表した声明では、当局者は「雇用の伸びは低いままで、失業率は安定化の兆しをいくらか示している」と指摘。過去3回の声明に盛り込まれていた、雇用に対する下振れリスクの高まりを示す文言は削除された。

トランプ政権からの利下げ圧力は強まっているものの、今回の労働市場に対する評価引き上げは、近い将来の利下げ観測を抑える要因となりそうだ。会合前の時点では、投資家は少なくとも6月までは追加利下げの可能性は低いとみていた。

FOMC政策決定に関するブルームバーグテレビジョンのリポート

FOMCの政策決定が発表された直後、外国為替市場では円が対ドルで下げ幅を拡大し、一時154円05銭を付けた。米国株市場でもS&P500種株価指数が下げ幅を拡大し、この日の安値圏となった後、下げ渋った。

パウエルFRB議長は会合後の記者会見で、今後1年の米経済見通しに「明確な改善」が見られるとさらに強調した。

議長は「経済活動の見通しは前回の会合後に明らかに改善しており、これは時間の経過とともに労働需要や雇用に影響を与えるはずだ」と述べた。

労働市場については安定化の兆しが見られるとの認識を改めて示した一方で、「過度に踏み込むべきではない」とも述べ、冷え込みが続いている兆候もあると指摘した。

またFOMCが再び利下げに踏み切るには何が必要になるかとの質問には、明確な回答を避けた。

パウエル氏は「次の利下げがいつになるのか、あるいは次回の会合で金利を引き下げるのかについて、明確な判断基準を示そうとしてはいない」と発言。「入手するデータや変化する見通しなどを考慮しながら会合ごとに判断していく上で、われわれは良い位置にあるというのがわれわれの言いたいことだ」と述べた。

政策金利は2025年末にかけて3会合連続で引き下げられており、今回の据え置き決定は市場では広く予想されていた。12月に公表された金利予測によれば、大半の当局者は年内に追加利下げが行われるとみている。ただ高止まりするインフレへの懸念や、労働市場に安定の兆しが見られることを踏まえ、幾人かの当局者は最近、追加利下げの差し迫った必要性はないとの認識を示している。

声明では経済活動の拡大ペースを「堅調」と表現し、景気判断を上方修正した。昨年10月以降は「緩やかな」ペースとしていた。またインフレ上昇への言及を削除した。

インフレについて、パウエル議長はFRBが重視するコア価格指数の伸びが2025末に3%と、目標を1ポイント上回りそうだとしつつ、全体としては「やや前向き」な内容だと述べた。

ただ、「上振れの大半は財価格で起きており、関税に関連していると考える。最終的には、それらは一時的な価格上昇にとどまり、持続的なインフレにはつながらないとみている」と語った。

政治的背景

パウエル氏に対する司法省の刑事捜査を含め、記者会見の冒頭では政治的背景に関する質問も出たが、議長はその大半で回答を避けた。

司法省は今月、FRBに召喚状を送付。パウエル氏はこれを受けて出したビデオ声明で、政権が捜査を威圧の手段に利用していると、異例ともいえる強い語調で非難していた。

パウエル議長は、金利を巡るトランプ政権からの圧力に直接言及することは避けつつ、中央銀行の独立性を擁護する立場を改めて示した。

議長は「独立性の要は政策当局者を守ることではない」とし、「国民にとって有効に機能してきた制度的な枠組みに過ぎない」と述べた。

5月に議長の任期が終了した後も理事としてFRBにとどまるかどうか決めたのかとの質問には、「決めていない」と答え、判断する時期についても言及を避けた。

一方、トランプ大統領がクックFRB理事解任を試みた件で、先週連邦最高裁が開いた口頭弁論をパウエル氏が傍聴したことについては、「その訴訟は113年に及ぶFRBの歴史において、最も重要な法的案件と言えるだろう」とコメント。「出席しない理由を説明するのは難しいと考えた」と述べた。

原題:Fed Holds Rates, Nods to Stabilization in Jobless Rate (3)(抜粋)

(動画と政策決定直後の相場の動きを加え、更新します)

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