米ゼネラル・モーターズ(GM)は、今年の増益が最大約20億ドル(約3060億円)に達すると見込んでおり、増配や自社株買いを通じて株主還元を拡大する計画だ。利幅の大きい車種の需要が業績を押し上げている。

GMは27日の発表文で、今年の調整後EBIT(利払い・税引き前利益)が130億-150億ドルになるとの見通しを示した。昨年は127億ドルだった。2025年10-12月(第4四半期)の1株利益は2.51ドルと、アナリスト予想(2.28ドル)を上回った。

GMの業績見通しは、高価格帯の新モデル販売と、規制環境が同社の利益の伸びに寄与していることを示している。今年の米新車市場は小幅に縮小すると見込まれ、輸入車や部品に対する関税の影響もあるものの、GMは株主還元を増やすのに十分な利益を確保できると見込んでいる。

27日の米株式市場でGMは8.8%高で通常取引を終えた。

 

今回の業績見通しは、大型ピックアップトラック「GMCシエラ」やスポーツ多目的車(SUV)「キャデラック・エスカレード」などの販売拡大と、電気自動車(EV)の販売減少を前提としている。バイデン前政権下で導入された燃費規制の緩和をトランプ大統領が進めていることから、既存自動車メーカーは、罰金の支払いやEVクレジットの購入を強いられることなく、燃費効率の低い車種を販売できるという恩恵を得ている。

パイパー・サンドラーのアナリスト、アレクサンダー・ポッター氏はリポートで「GMは非常に高い水準で事業を遂行している。重要なのは、EV関連費用が自社株買いのペースに影響するとの懸念がある中でも、同社が自社株買い枠を再承認した点だ」と述べた。同氏はGM株の投資判断を「オーバーウエート」としている。

GMは、60億ドルの自社株買いを承認し、四半期配当を1株当たり3セント引き上げて18セントとすると明らかにした。同社は過去数年で計200億ドル超の自社株買いを実施しており、これが株価の上場来高値更新の一因となっている。

インディアナ州フォートウェインのGM工場

GMはまた、今年通期の純利益を103億-117億ドルと予想している。これは、EV事業の縮小に伴う巨額の減損処理を行った昨年の27億ドルから大幅な増加となる。同費用により、25年10-12月期の純損益は33億ドルの赤字となり、調整前の1株損益は3.60ドルの赤字となった。

メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は株主宛ての書簡で「米国の新車市場は今後も底堅さを維持すると見込んでいる」とした上で、「今後は、一段と整合性を高める米国の規制・政策環境の中で、われわれは事業を展開する」と述べた。

GMは今月、EV関連で60億ドルの追加損失を計上すると発表。昨年10月発表の特別損失と合わせ、EV関連の損失は累計76億ドルに達したことから、同社の自社株買い計画に不透明感が出ていた。GMは今年も追加の減損を見込んでいるが、規模はこれまでに公表したものより大幅に小さくなるとしている。

バーラ氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「EVポートフォリオを黒字化するため、引き続きコスト削減に取り組む」と述べ、ハイブリッドモデルも数種投入する計画だと明らかにした。

10-12月期は売上高が453億ドルと、アナリスト予想(454億ドル)を若干下回った。EVやシボレー・トラックスといった低価格車の需要低迷を受け、売上高は前年同期比6.9%減となった。

GM中国事業は、10-12月期損益が5億1300万ドルの赤字、通期でも3億1600万ドルの赤字となった。10-12月期に事業再編に伴い6億ドルの費用を計上したことが影響した。

原題:GM Sees Up to $2 Billion Profit Jump in 2026, More Buybacks (3)(抜粋)

--取材協力:Craig Trudell、Matthew Miller.

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