財務省が28日に実施した40年国債入札は需要の強弱を反映する応札倍率が過去12カ月平均を上回り、日本国債市場に安心感を与えた。投資家からは「強い結果」だったとの声が聞かれ、債券先物は結果判明後に上げ幅を広げた。

入札結果によると、応札倍率は2.76倍と過去12カ月平均の2.53倍を上回った。前回は2.59倍。最高落札利回りは3.72%と市場予想の3.745%よりもやや低かった。

明治安田アセットマネジメント債券運用部の大﨑秀一シニア・ポートフォリオ・マネジャーは、最近の超長期債相場のしっかりした地合いを反映して投資家からの需要が見られ、強い結果だったと述べた。午前に40年債が調整していたことが奏功した印象で、「日本銀行の利上げ観測で中期ゾーンに買いづらさがあったため、その分超長期ゾーンに買いが入った」との見方も示した。

入札結果を受け債券市場では買いが先行し、長期国債先物の中心限月3月物は131円50銭付近から一時131円72銭まで上げ幅を拡大。新発10年債利回りは2.245%まで低下し、入札前は上昇していた新発40年債利回りは下げに転じ一時3.9%へ水準を切り下げた。新発20年債や30年債利回りも低下している。

みずほ証券の大森翔央輝チーフ・デスク・ストラテジストは、「今回の40年債入札で確認された堅調な需給とその後の金利低下は、少なくとも次回2月5日の30年債入札に向けた市場環境を悪化させるものではなく、超長期ゾーン全体に一定の支えとなる材料になったと評価できる」と指摘した。

 

選挙控え警戒感

今回の入札は、2月8日の衆院選に向け与野党共に消費税減税を公約に掲げ、財政悪化懸念が強い中で行われた。選挙結果にかかわらず財政懸念がくすぶり続けるため、市場では投資家が入札への慎重姿勢を強めると警戒されていた。

新発40年国債利回りは20日、20年国債入札が低調な結果となったことを受け4.215%と2007年の同債発行開始後の最高水準を更新。その後は高市早苗首相が為替の円安進行と国債利回りの急上昇に政府として必要に応じて対応する姿勢を示したことで水準を切り下げた。

市場の警戒に反する形で良好な入札結果となり、SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは「債券市場に一定の安心感が生じている」と指摘。衆院選が終わるまで超長期債の不安定な動きが続く可能性はある半面、「投開票日の前に行われる来週の10年債と30年債の入札が天王山」と語った。

明治安田アセットマネジメントの大﨑氏は「債券相場の地合いが日替わりで変わることもあり、選挙を控えて財政悪化懸念が強まると再びボラティリティー(変動率)が大きく上昇するリスクがある」と述べた。

(第5段落に市場関係者コメントを追加するなどして更新します)

--取材協力:日高正裕.

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