東京電力ホールディングスは、経営再建に向けた事業計画の中核として、アライアンスの活用を打ち出した。事業計画の変更申請は26日付で経済産業省に認定された。

計画によると、廃炉の着実な遂行と企業価値向上を同時に進めるため、自社に不足する技術や人材を外部連携で補完する。アライアンスを通じた共同事業体の出資比率については柔軟性を持つ一方、共同事業体が市場から信任され、財務・経営の自律性が確保できる対策を実施していくとしている。

福島第1原子力発電所の廃炉作業を着実に進めるために、同社には必要な資金を安定的に生み出す事業戦略が不可欠だ。人工知能(AI)の利用拡大やデータセンターの増設に伴う電力需要の増加も、追加投資の必要性を突き付けており、財務体質と経営基盤の立て直しを迫られている。

午後に記者会見した小早川智明社長は、アライアンス計画について説明し、福島第1原発の廃炉の完遂という責任を理解してもらえるパートナー候補を選んでいきたいと話した。準備が整い次第、アライアンスの募集を進める予定だ。

募集先を巡って海外企業などが対象になるかについては、入り口で制約を設けるないとしつつ、候補対象に関しては明言を避けた。また、ホールディングスの非公開化や、中間持ち株会社化について問われ「さまざまな形態はあり得る」と述べ、提案を受け入れた上で考えていくとした。

資産売却も

一方、資産売却によって原則3年以内に約2000億円規模の資金を捻出する計画も盛り込んだ。保有する株式については、一定規模以上の売却効果や早期売却の実現性が見込まれるものについて、必要な保有比率を再精査した上で進めていく。不動産については、価値の最大化が見込める候補を抽出したうえで、早期の売却実現に向けて取り組む。

このほか合理化目標として、2025-34年度までに累計で約3兆1000億円のコストを削減する計画も盛り込んだ。経営効率化に向けて、第三者の知見を生かした評価制度を導入し、事業にかかる全ての件名を精査して、投資の優先順位付けを実施するという。

柏崎刈羽原発

21日に再稼働した新潟県の柏崎刈羽原子力発電所6号機は、制御棒の引き抜き作業中に警報が鳴る不具合が生じ、原子炉を停止する事態となった。今後の見通しについて、小早川社長は、「これからのスケジュールは見通せていない」と述べ、原因究明をしっかり進めた上で再開したいという。

東電HDは同日午後に、2026年3月期の純損益が前期の1613億円の黒字から6410億円の赤字に転落する見込みだと発表した。福島第1原子力発電所の核燃料(デブリ)取り出し準備費用などで9041億円を計上する。従来、今期計画は未定としていた。

同社株は午前の取引で逆行高となる場面もあったが、午後になると下落に転じ、終値は同3.8%安の662円となった。

(会見内容を追加しました)

--取材協力:沢和世.

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