(ブルームバーグ):金価格がアジア時間26日に初めて1オンス=5000ドル台を付けた。トランプ米大統領による国際関係の再構築に加え、投資家が国債や通貨から資金を逃避させていることが相場を押し上げている。
金は一時2%余り上昇。ドル安が需要を後押ししている。ドル指数は6営業日で約2%下落。米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性を巡る懸念やトランプ政権の予測不能な政策運営への不安が残る中、米当局が円高を促すため日本を支援する可能性があるとの観測が広がった。
銀も急伸し、一時1オンス=109ドル台と最高値を更新した。
金価格はここ2年で2倍超となっており、マーケットの恐怖を測る指標としての歴史的な役割が改めて浮き彫りとなっている。2025年の年間上昇率が1979年以来の大きさとなっていた金は、年初来でさらに17%超上げている。いわゆる「ディベースメント取引(通貨価値下落に備えた売買)」が主因だ。
ここ数週間はトランプ政権によるFRBの独立性への攻撃やグリーンランド取得の脅し、ベネズエラへの軍事介入などが市場を動揺させてきた。こうした不確実性を乗り切ろうとする投資家にとって、金の安全資産としての魅力はこれまでになく高まっている。
信頼の逆指標
ファースト・イーグル・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、マックス・ベルモント氏は「金は信頼の逆指標だ」と指摘。「予想外のインフレ局面や想定外の相場下落、地政学リスクの高まりに対するヘッジになる」と話す。
週末には、トランプ大統領がカナダに対し、中国と貿易協定を結べば、同国から輸入される全製品に100%の関税を課すと警告し、緊張が高まった。一方、米国内の政治を巡る不確実性も高い。民主党のシューマー上院院内総務は国土安全保障省への予算を削減しない限り、巨額の歳出法案を阻止すると表明。政府機関の一部閉鎖リスクが高まっている。
先進国で膨らむ公的債務も、金相場を押し上げるもう一つの重要な材料となっている。インフレが国家の支払い能力を確保する唯一の道になるとみる長期投資家の一部は、購買力を維持する手段として金に資金を投じている。
投資家はトランプ大統領による次期FRB議長の指名を待っている。よりハト派の議長が就任すれば、今年の追加利下げ観測が強まり、金利が付かない金にとって追い風となる。
オーバーシー・チャイニーズ銀行の投資戦略マネジングディレクター、バス・メノン氏は「トランプ氏に起因する地政学的な不確実性の多くは、近く解消するとは考えにくい」と指摘。「今後数カ月、さらには数年にわたり金は注目され続ける可能性があるが、ここ1年の大幅な上昇を踏まえると、投資家は断続的な反落に備える必要がある」と述べた。
金はシンガポール時間午後1時9分(日本時間同2時9分)現在、1.5%高の1オンス=5063.82ドル。銀は4.5%高の107.78ドルとなっている。プラチナは最高値を更新し、パラジウムも値上がりしている。先週1.6%下げたブルームバーグ・ドル・スポット指数は26日も0.4%下落している。
原題:Gold Storms Beyond $5,000 as Global Upheaval Fans Demand Frenzy(抜粋)
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