(ブルームバーグ):高市早苗首相は23日、衆院を解散した。与党過半数割れの大敗を喫した2024年衆院選から1年余り。政権が新たに打ち出した「責任ある積極財政」への信認を問い、政権基盤の強化を狙う。
総選挙は27日公示・2月8日投開票の日程で実施される。高市首相は解散を表明した1月19日の会見で、「与党で過半数」を目標とし、「内閣総理大臣としての進退をかける」と発言。今回の選挙は長らく連立を組んでいた公明党と立憲民主党が結成した新党「中道改革連合」との政権選択選挙と位置付けた。
元自民党職員で政治評論家の田村重信氏は、「中道」は自民党にとって脅威だと指摘。こうした情勢変化を受け、与党過半数という「クリアできる目標設定」になったとの見方を示した。公明票を失った後も高市首相の高い支持と人気で自民がどれだけ勝てるかが注目されると述べた。
早期解散の検討が報じられた9日以降、市場では円安・債券安・株高の「高市トレード」が復活した。高支持率を維持する高市政権の下で与党が議席を増やせば、拡張的な財政政策が進むとの観測が背景にあり、円相場は1年半ぶり安値となる1ドル=159円45銭まで下落した。
その後、19日に高市首相が食品消費税の2年間廃止を検討すると明言し、与野党で消費減税論が浮上すると、超長期金利が急騰。財政悪化への懸念が増幅する中、株価の上昇には歯止めがかかった。
みずほ証券の松尾勇佑シニアマーケットエコノミストは、食品消費減税について「検討を加速する」と曖昧な言い方にとどめている与党が過半数を確保すれば、いったんは高市トレードが強まる形で市場は反応するだろうと予想。ただ、選挙後に財源のないまま消費減税を進めることになれば、株価にもネガティブだと指摘する。
市場への配慮
与野党は市場への配慮を前面に打ち出している。今秋の食品消費税ゼロ実現を掲げる中道の野田佳彦共同代表は22日、同党は減税の財源も明示しており「マーケットに配慮した十分な内容だ」と強調。本庄知史共同政調会長は、高市政権は「国民の声も聞いていないし、マーケットの声も聞いていない」と批判した。
高市首相は消費減税の財源について「特例公債に頼ることなく、その間の財源がどうあるべきかといった点も含めて実現に向けた検討を加速させる」と強調。補助金や租税特別措置、税外収入など歳出歳入全般の見直しが考えられるとした。
国民民主党の玉木雄一郎代表も21日、同党は物価上昇で税収が増えた分を一部家計に還元することが基本的な方針で、国債発行で調達した資金の使途は「リターンが明確に見込める分野」に限定すると発言。「マーケットにも納得いただけるような責任ある積極財政になっている」と語った。
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