貿易紛争や国家間の対立が強まる中、2026年の世界情勢は一段と脅威にさらされるとの見方が、世界経済フォーラム(WEF)が実施した調査で示された。

来週スイスで年次総会(ダボス会議)を開くWEFが専門家1300人を対象に行った年次調査によると、今後1年に起こり得る危機の主因は、通商面の緊張か、実際の軍事衝突のいずれかから生じる可能性が高いとみられている。

回答者は、最大のリスクとして「地経済的対立」と「国家間の武力紛争」の2つを挙げた。調査は学界、財界、政府、国際機関、市民社会にまたがる「世界の指導者や専門家」を対象に、25年8月12日から9月22日にかけて実施された。

こうしたリスク認識は、来週ダボスで開かれる会合の地政学的な色合いと重なる。トランプ米大統領や主要7カ国(G7)首脳の大半を含む、60人超の国家・政府首脳が一堂に会する異例の規模となり、例年参加するビジネスリーダーの大群よりも政治指導者が注目される可能性がある。

WEFが前回の会議で公表したグローバル・リスク・リポートは、ウクライナ紛争を背景に戦争を最重要テーマとして取り上げていた。

今回の調査結果は、現職米大統領が実際に貿易や地政学を巡る強硬な姿勢で同盟国と競合国の双方を揺さぶってきた中で、そうした動きに動揺する意思決定者の不安を反映している。中国政府が同様の手段で応じる構えを見せていることも背景にある。

WEFのマネジングディレクター、サーディア・ザヒディ氏は報告書の序文で、「新たな競争秩序が形成されつつある」とし、「私たちは、実際の戦争がもたらす混乱や、戦略的優位を得るために経済的な武器が用いられる状況、さらに社会全体に広がる分断の拡大を目の当たりにしている」と指摘した。

報告書は、世界が「崖っぷちで均衡している」状態にあり、「地政学的および地経済的」リスクが支配的になっていると描写している。

今後2年間の見通しを「荒れ模様」または「不安定」と見込んでいる回答者は半数に上り、前年(2025年版)の報告書から大きく増加した。

2年先の見通しで認識の悪化が最も顕著だったのは「経済リスク」の分野だった。前述の「地経済的対立」の脅威に加え、景気悪化やインフレ、資産バブルの崩壊に対する懸念がいずれも強まった。

原題:Trade and War Worries Haunt Davos as World Seen ‘on a Precipice’(抜粋)

--取材協力:Michael Ovaska、Francine Lacqua.

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