人工知能(AI)関連の勢い鈍化が懸念される中、ウォール街のストラテジストらは米国株の強気相場を推進する新たな原動力を模索している。

大手銀行ゴールドマン・サックスのベン・スナイダー氏が率いるチームは、米経済が加速するという前提の下、中間層の消費支出拡大で恩恵を受ける銘柄に注目する。医療サービスや素材、生活必需品を提供する企業のほか、「必要ではないがあればうれしい」商品を販売する銘柄に特に強気の見方を示している。

これには高級衣料品やアクセサリー販売、家庭用品、旅行会社、カジノなどが含まれる。こうした銘柄は昨年10月以降、相場全体を上回るパフォーマンスを見せた。6日付のリポートには「2026年前半もバリュー株が引き続き優位に立つだろう。中間所得層の実質所得が加速的に増加し、売上高の伸び改善につながる」と記した。

ゴールドマンは、トランプ大統領の関税政策による逆風の後退、安定しつつある労働市場、昨年成立した政権主導の大型法案に伴う税還付などの恩恵を中間層の消費者が受けると見込んでいる。

 

過去3年間にわたり、大型テクノロジー7銘柄「マグニフィセント・セブン」が主導したAIトレードが市場をけん引してきたが、市場ではこれに代わる投資対象を模索する動きが広がっている。

「経済成長見通しの上方修正が進んでいる」と話すのはノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルのクロスアセットマクロストラテジスト、チャーリー・マケリゴット氏だ。成長が上振れすれば、伝統的なバリュー株セクターにとって良い前兆になるという。

同氏は株式市場全体の動きに対する感応度を示すベータ値が高い銘柄群への資金ローテーションが始まりつつあると指摘する。こうした銘柄は一般消費の動向と密接に連動する傾向があるという。

こうした資金ローテーションの恩恵を早々に享受した可能性のある銘柄の一つが、ゴルフクラブやサッカーシューズ、テニスラケットなどを扱うディックス・スポーティング・グッズだ。株価は年初来9.4%上昇し、8日終値は216.66ドルだった。

6日のデリバティブ市場では、ディックス株の権利行使価格250ドルのコールオプション(買う権利)に大口買いがみられた。昨年1月に付けた最高値近辺まで株価が再浮上するとの見立てだ。ゴールドマンは中間層の購買力向上の恩恵を受ける銘柄としてディックスのほか、バーリントン・ストアーズ、ベスト・バイ、ファイブ・ビロウ、リーバイ・ストラウス、ギャップを挙げている。

確かに実店舗型の小売業者はアマゾン・ドット・コムのような電子商取引(EC)大手との競争に苦戦してきたが、テック大手やAI関連企業の株価が超高水準に達する中、投資家の目は他の投資機会に向かいつつある。

少なくとも26年初の時点で割安なのはバリュー株のようだ。マケリゴット氏は「グロース株ははるかに割高だ」と述べた。

原題:Goldman Sees Consumer Stocks Gaining Amid AI Valuation Worries(抜粋)

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