(ブルームバーグ):日本銀行は今月の金融政策決定会合で、政府の経済対策などを反映し、経済成長率見通しを引き上げる見通しだ。政策金利は現状維持を決める公算が大きい。複数の関係者への取材で分かった。
22、23日の会合では四半期ごとの経済・物価情勢の展望(展望リポート)を議論し、最新の見通しを示す。関係者によると、米経済と米関税政策の不確実性の後退に加え、物価高対応を中心とした21.3兆円規模の経済対策の効果を織り込み、2026年度の成長率見通しを上方修正する見通しだ。25年度も引き上げられる可能性がある。
前回の昨年10月の同リポートでは、実質国内総生産(GDP)の見通しについて、25年度と26年度は共に前年比0.7%増(政策委員の大勢見通しの中央値)となっていた。政府は政策効果を踏まえた実質GDPについて、昨年12月に公表した経済見通しで25年度1.1%増、26年度1.3%増を見込んでいる。
日銀は昨年12月に政策金利を0.5%程度から30年ぶりの高水準となる0.75%程度に引き上げた。今後も利上げ路線を継続していく方針で、市場では半年に1回程度の利上げペースが見込まれている。
関係者によると、現在は利上げの経済・物価・金融面への影響を見極める段階にあると日銀はみており、今後の利上げペースについて予断を持っていない。経済・物価は引き続き日銀の想定に沿って推移しており、今後も見通し実現確度の高まりに応じ、利上げで金融緩和度合いを調整していく姿勢を維持する見込みという。
一方、消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)に関しては、昨年末のガソリン税の旧暫定税率の廃止や今年1-3月使用分の電気・ガス料金の負担軽減策などが下押し要因となる。
日銀は下方修正が必要かどうかを検討するが、政策要因による一時的な問題とし、政策判断で重視する基調的な物価上昇率が緩やかに上昇している構図は変わらないと関係者は語った。経済対策は基調物価を押し上げ、見通し実現の確度を高める要素になるものの、全体として物価見通しに大きな変化はない見込みという。
前回リポートでの予測は25年度2.7%上昇、26年度1.8%上昇、27年度2.0%上昇となっていた。関係者によると、物価高対策や食料品価格の上昇一巡などを背景に、来年度前半にかけてコアCPIが2%を割り込むとの想定を維持。27年度までの見通し期間の後半に、2%の物価安定目標を実現するシナリオも変わらない見通しだ。
日銀が12月に利上げした後も外国為替市場では円安基調が継続している。企業がコスト増加を価格に転嫁する傾向が強まっているため、日銀は円安が物価動向に与える影響を引き続き注視していくと関係者は述べた。
また、中国政府が軍事転用の可能性がある品目の日本向け輸出規制の強化などの圧力を強めていることで、日本経済の先行きへの警戒感も浮上している。海外経済の動向が引き続き大きなリスク要因として意識される中、日銀は内外情勢や市場動向を会合の直前まで見極めて経済・物価見通しや政策を最終判断することになる。
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