過剰流動性が人工知能(AI)にとどまらず、市場全体の資産価格を押し上げているとリチャード・バーンスタイン・アドバイザーズ(RBA)はみている。

RBAのマイケル・コントプロス副最高投資責任者(CIO)は「現在はある種のエブリシング・バブル(あらゆるものがバブル)状態にある」と指摘。「AIだけにとどまらない。暗号資産(仮想通貨)、ミーム株、特別買収目的会社(SPAC)、投資適格級社債、ハイイールド債など全てだ」と強調した。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のポッドキャスト「クレジット・エッジ」で語った。

市場経験25年のベテランで、バンク・オブ・アメリカ(BofA)の元ハイイールド戦略責任者であるコントプロス氏は、ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)で正当化される水準を超えてバリュエーションが膨らんでいる要因として、緩和的な金融および財政政策を挙げた。

債券投資家にとってAIは特に懸念材料だ。ブームが本物だったとしても恩恵を受けられない一方、失敗すれば損失を抱え込むことになるという。

ビッグテックがAIインフラへの巨額投資を約束していることに対し、懸念が高まっている。そうした資金の大半は米債券市場で調達される見通しだ。ブルームバーグが集計したデータによると、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズの設備投資額は、今後1年間で34%増の約4400億ドル(約69兆円)に達すると予想されている。

コントプロス氏は「ハイテク株は今年、少し地に足のついた水準に戻るだろう」とした上で、「5年や10年で陳腐化する恐れのあるものに対し、40年という期間で資金を投じようとする投資家は、テクノロジー企業の社債のどこに、それほどの価値を見いだしているのだろうか」と問いかけた。

上場投資信託(ETF)を通じて幅広い資産クラスに投資するRBAは現在、社債にエクスポージャーがない。1年前はオーバーウエートとなっていた。

「スプレッドが90ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を大きく割り込んだ時点で、相対的な投資妙味はなくなった」とコントプロス氏は述べた。米高格付け社債のリスクプレミアムは7日、78bpに上昇したが、昨年5月以降は90bpをおおむね下回っている。

米連邦準備制度が市場の想定ほど速いペースかつ大幅な利下げを行わなかった場合、スプレッドは今年、拡大する可能性があるとコントプロス氏は指摘した。予想以上の景気減速もリスク要因だ。

社債スプレッドがごく小幅にとどまることから、RBAはローン担保証券(CLO)や住宅ローン担保証券(MBS)、高格付けの変動利付債のほか、欧州株に価値を見出している。

「欧州の優良株に勝るものはない。財政刺激策があり、金融政策も適度に緩和的で、企業利益の伸びも加速している」と同氏は語った。

原題:Market Bubbles Go Way Beyond AI, Says Richard Bernstein Advisors(抜粋)

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