(ブルームバーグ):年始早々に主要株価指数が終値で史上最高値を更新し、順調なスタートを切った日本株にも気になるデータがある。米国中間選挙の年はパフォーマンスがさえないというアノマリーだ。
市場関係者の間では、米中間選挙の年の株価低迷は時の政権の政策変動リスクが影響しているみられている。2026年もトランプ米大統領が年明けからベネズエラを軍事攻撃し、グリーンランドへの領土的野心も隠さない。住宅市場や防衛企業には新たな政策を打ち出すなど米政治の不確実性は高まっていると言わざるを得ず、投資家にとって無視できないアノマリーになるかもしれない。
今年の日経平均株価は8日時点で1.5%上昇。大発会を含む最初の2営業日の上昇率は1990年以降で最大だった。マネックス証券の吉野貴晶チーフ・マーケット・アナリストによると、米中間選挙の年の日経平均の騰落率は平均で0.8%高。他の年と比べ弱さが目立ち、特に選挙前の数カ月間のパフォーマンスが悪い。
米政権が中間選挙を前に日本など貿易相手国に対し厳しい姿勢を打ち出しやすいことが背景にあるのではないか、と吉野氏は推察。中間選挙では現職大統領に有権者の厳しい審判が下ることが多く、「今回も民主党の支持率回復が言われている。政権浮揚を図るため、『アメリカファースト』的な政策が強化される可能性がある」と警戒感を示す。
現在の日本は1980年代のように巨額の対米貿易黒字を抱えてはいないが、米財務省の為替報告書ではいまだに「為替操作監視対象」リストに掲載され、米国から貿易不均衡の大きい国の一つと見られていることに変わりはない。
ピクテ・ジャパンの市川真一シニア・フェローは、米国は関税政策を導入したものの、トランプ大統領が言うほど経済も良くならず、支持率も下がり続けていると指摘。「今年はギアを入れ替え、米国に近い外国に対し力を行使する形で中間選挙に向け支持率を上げようとする可能性がある」とみる。
多くのストラテジストやアナリストらは、依然日本株の先行きに強気の見方を維持している。業績回復への期待や企業統治(コーポレートガバナンス)改革の進展に加え、緩和的な金融政策の継続など相場を支える材料が多いからだ。
とはいえ、米国は年始にベネズエラを急襲し、マドゥロ大統領を連行したことはトランプ政権の予見可能性の低さを改めて浮き彫りにした。先行き不透明感は投資家が最も嫌う要素であり、楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストも今年前半は強気の半面、後半は楽観シナリオと悲観シナリオの双方があり得ると身構えている。
土信田氏は、米中間選挙前に財政出動が行われた場合の財政負担や米景気の先行き、利下げの実現性などに懸念が出れば、「株価が下がる展開も想定する必要がある」と話した。
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