(ブルームバーグ):トランプ米大統領は、イデオロギー的に対立してきた中南米の主要な政敵、コロンビアのペトロ大統領との関係改善を図っている。数日前には同氏を「病んだ」コカイン密売人と呼び、コロンビアへの軍事攻撃も辞さない姿勢を示していた。
トランプ氏は7日に行われたペトロ氏との電話会談で、麻薬対策政策やその他の懸案事項について協議したとし、近くホワイトハウスで直接会談を行うことで合意したと明らかにした。ペトロ氏は、会談ではベネズエラ情勢についても話し合われたと述べた。
ペトロ大統領は数日前、トランプ氏の威嚇に対し、国民に抗議行動を呼びかけていた。ペトロ氏側近の1人であるベネデッティ内相は、今回の電話会談が両者の対立を再燃させるのではないかと危惧していたことを明らかにした。
ベネデッティ氏はブルームバーグラジオのインタビューで「2人とも非常に強い個性の持ち主で、ささいな誤解でも深刻な結果になりかねないと心配していた」と述べ、「だが、最初の一瞬から非常に友好的で、互いに敬意が感じられるやりとりだった」と振り返った。
「ナチス式」
歴史的にコロンビアは米国にとって有数の同盟国だが、トランプ氏とペトロ氏の関係は急速に悪化し、過去1年間にわたってたびたび激しい応酬を繰り広げてきた。
トランプ氏はペトロ氏を「違法薬物の指導者」と呼び、すべての支援を打ち切ると発言。これに対しペトロ氏は、トランプ氏の気候変動政策を「人類への敵対行為」と非難し、移民政策を「ナチス式」と強く批判していた。
米国は9月、ペトロ大統領が米兵にトランプ氏の命令に従わないよう呼び掛けたことを受けて、同氏の入国ビザを取り消した。また、ペトロ氏や側近を薬物密輸を助長しているとして制裁対象に入れ、麻薬撲滅戦争における協力国としての認定を取り消した。
今回の電話会談は、トランプ氏がベネズエラのマドゥロ大統領を拘束し、米国がコロンビアに軍事介入する可能性があると警告してから数日後に行われた。
コロンビアの駐米大使ダニエル・ガルシア・ペーニャ氏によると、共和党のポール上院議員が今回の会談の仲介に重要な役割を果たした。同大使は7日の電話インタビューで、今回の会談を受けて米国との緊張が緩和され、麻薬密輸対策での協力が強化されることをコロンビアは期待していると述べた。
ペトロ氏は電話会談後の演説で、コロンビア野党の一部が米国におけるコロンビア政府への敵意を生み出したと支持者に語った。
原題:Trump Seeks Deal With Antagonist Gustavo Petro as Relations Thaw(抜粋)
--取材協力:Courtney Subramanian、Katherine Pennacchio.
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