米オルタナティブ投資大手アポロ・グローバル・マネジメントのジム・ゼルター社長は、同社では1年ほど前から投資を承認するハードルが段階的に上がっていると述べた。地政学的なテールリスク上昇がその理由だという。

「多くの好材料が進行中だ。大規模な設備投資サイクルと、堅調な経済成長、そして健全な個人消費がそろっている」とゼルター氏は8日、ブルームバーグテレビジョンで発言。一方で「地政学的リスクと、インフレ懸念、投資資本の回収可能性、そして人工知能(AI)など課題も多い」と話した。

米国では2025年に企業が計画したレイオフが120万人を超え、20年以来の多数となり、経済の先行きに対する不安が高まった。ただし、こうした不安は最新データではやや緩和された。また住宅ローンなどの金利低下や、原油価格の安値安定などが26年には好材料になるとみられている。

動画:ブルームバーグテレビジョンで話すアポロのゼルター社長

ゼルター氏はさらに、経済や信用サイクルは健在だが、金融危機後に米経済が果たした進化を考えると、経済と金融のマシンが過去ほど容易に崩れることはないとの見方を示した。「父親たちの時代とは異なる経済だ」と語った。

人工知能(AI)

AIに関して同氏は、今後5-6年にハイパースケーラー(大規模データセンター事業者)が必要とする設備投資額と、エクイティー市場や債券市場で見込まれる調達額の間に、1兆ドル(約157兆円)から1.5兆ドルのギャップがあると指摘。

「この数字は巨額だ」と同氏は述べ、「投資適格級(IG)債の発行市場に負担を与えるのは確実だ」と続けた。

ゼルター氏によれば、ハイパースケーラーはこれまでIG市場に軽微な影響しか与えなかったが、今後はその10%から15%を占めると見込まれる。

ゼルター氏は以前、AIやデータセンターへの大規模な資本流入がバリュエーションを押し上げ、投資家にとってのリスクを高めていると警告していた。アポロは25年8月、データセンター運営会社ストリーム・データ・センターズの過半数株式を取得することで合意した。

原題:Apollo’s Zelter Says the Bar for Investments Has Been Raised(抜粋)

--取材協力:Annmarie Hordern、Lisa Abramowicz、Jonathan Ferro、Laura Benitez.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.