無痛分娩や卵子凍結…妊娠の公費負担、どこまで?

藤森祥平キャスター:
地域や医療機関によって費用の異なる妊婦健診。国は「妊婦健診の望ましい基準」を定めています。これによると、初期から出産までは14回程度で、検診のたびにやってきた記憶がある超音波検査は、国の基準では最低でも4回が望ましいとされています。
小川彩佳キャスター:
我が子の姿を目で見て感じることができる唯一の手段ですから、これを楽しみに検診に通っていた方も多いと思います。
藤森キャスター:
病院によって負担の違いがありますが、超音波検査は1回あたり5000円ほどの自己負担になっています。国は、基準以外の検査を目で見て分かりやすくすることで、妊婦さんが取捨選択をすることができる環境を整える狙いがあるそうですが、なかなか難しい問題ですね。

教育経済学者 中室牧子さん:
どこまでが必要で、どこからオプションなのか分からないまま、妊婦さんの負担が増えることがないように、価格の参照値を作るのが、今回のこども家庭庁の政策の目的です。ただ、事実上“価格規制”ではないかと皆さん懸念されていると思います。
仮に、自治体が標準額をもとに助成の金額を決めるとすると、標準額を上回るところは自己負担となりますから、医療機関は標準額を上回らないように医療の質を下げるのではないか、というのが、先ほど宋美玄先生がご指摘していた内容ではないかと思います。そういったことが起こらない制度設計にすることが大事だと思います。
小川キャスター:
健全な出産にかかる部分が削られることがないかを、見ていかなければならないですね。
教育経済学者 中室さん:
検診だけではなく、いくつかの自治体では「無痛分娩」や「卵子凍結」にも助成金が出ているなど、さまざまなことで地域差があり、この差を埋めなくていいのかという話もあるかもしれません。
出産にかかる経済的負担を減らしたいということは、みんな思っていることだと思います。
ただ、命や安全にかかるリスクを下げる意味で不可欠なことと、無痛分娩や卵子凍結など選択肢を増やす支援があったとして、この両方を公費負担にするのか、いずれかに絞るのかについては、国民的な議論が必要なのだと思います。

藤森キャスター:
医療機関側も人手不足など、運営するのが大変な事情もありますから、質が下がることがないようにしないと、出産自体が立ち行かなくなりますよね。
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<プロフィール>
中室牧子さん
教育経済学者 教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」