これがないと世界が止まる “回転“で世界シェアNo.1

一方、飛行機の部品で世界シェア5割の企業があります。
航空機の格納庫を訪れました。旅客機には数百万点もの部品が使われていますが、安全運航を支える1つが…
ANA 整備センター 三浦遥希さん
「ベアリングというものがある。ベアリングがないと、飛行機のオペレーションを支えられない」
ベアリングは機体のあらゆる場所に使われている重要部品です。
一体どんな役割なのでしょうか。

ミネベアミツミ 貝沼由久 会長
「ベアリングというのは、回転をスムーズにする、摩擦をできるだけ小さくする。エネルギー効率を最大化するというところが一番重要なポイント」
試しにボールベアリングを使った車と使っていない車の模型を、同時に走らせると、その差は一目瞭然です。

ベアリングは、モーターやキャスターなど、“回る”ものほぼ全てに使われています。
時計などに使われる最小サイズは、わずか直径1.5ミリ。
ミネベアミツミ 貝沼由久 会長
「我々のボールベアリングがないと、世界は確実に止まります。我々のロットエンド(球面滑り軸受)がなければ飛行機は作れないし、飛べない」
創業当時から精密加工技術を活かして、成長してきたミネベアミツミ。
会長は「ニッチ市場」にこそ、日本企業の勝ち筋があると話します。

ミネベアミツミ 貝沼由久 会長
「『大海の中の大きな魚を狙う』のは非常に厳しい。『小さな池の中の大きな魚』を取っていくことが一つの成長戦略である。
日本の技術がなければ世界が動かないような立ち位置になる投資や方針が必要なんじゃないかなと思います。日本の技術は部品や素材では、すたれていない。世界のトップを走っているものはたくさんある」
「経済安保」や「サプライチェーン」に暗い影が落ち始めた今、日本が持つモノづくりの資産を見つめ直す時かもしれません。