(ブルームバーグ):中国不動産開発大手の万科は、28日に償還期限を迎える万科の37億元(約826億円)の社債について、猶予期間を5営業日から30営業日に延長することで、債券保有者と合意した。万科は数日前に別の20億元の社債の返済猶予を得たばかりだが、投資家が別の猶予延長に合意したことで、債務不履行の危機を再び回避した。

上海清算所への提出書類によると、万科の債券保有者は、何らかの形で元本返済の延期を認める5つの提案全てを拒否し、代わりに、猶予期間の延長に応じた。これにより、万科には、迫りくる多くの満期債務に対する解決策を練る時間がさらに与えられた。
万科は、前例のない不動産市場の不振の中、500億ドル規模の有利子負債の重圧に苦しんでいる。かつては中国最大のデベロッパーだったが、6月末までに134億元の返済期限を迎えるため、相次ぐ債権者との協議を急ピッチで進めている。仮に、最終的に再編を行うことになれば、中国史上最大規模の事例となる見通しだ。万科の資産総額は約1600億ドル、従業員数は12万5000人を超える。
これまで、万科は最大株主である国有企業の深圳市地鉄集団(深鉄集団)の支援を受けてきたが、同社が融資条件を厳格化する計画を示し、今後の支援に懸念が生じた。これにより、万科の社債は急落し、深刻な苦境に陥っている。
原題:Vanke Wins Approval for Longer Grace Period on Another Yuan Bond(抜粋)
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