(ブルームバーグ):12月に入り年末恒例の「サンタクロースラリー」は果たしてやって来るのかと気をもんでいた市場関係者は、ようやく待ち望んでいた展開を目にするかもしれない。
S&P500種株価指数は17日までの4日間続落で月初来マイナスに沈んでいたが、18日には0.8%高と下げ止まった。過去の傾向が指針となるなら、株価はこの先も値上がりが続く可能性がある。シタデル・セキュリティーズがまとめたデータによると、1928年以降、S&P500種は12月最後の2週間に75%の確率で上昇しており、平均上昇率は1.3%だった。
人工知能(AI)を巡る中長期的な懸念は残り、バリュエーションも依然として割高だが、堅調な景気と企業利益への楽観が投資家心理を支えている。サスケハナ・インターナショナル・グループによると、トレーダーは半導体メーカーや大型テクノロジー株の強気オプションを積極的に購入しており、個人投資家も引き続き米国株の熱心な買い手となっている。
ゴールドマン・サックス・グループのトレーディングデスクは「大きなショックが起こらない限り、これから迎える圧倒的にポジティブな季節的シーズンと、よりクリーンなポジション環境に逆らうのは難しいだろう」とリポートに記述。「必ずしも急激な値上がりを想定しているわけではないが、年末にかけて上値を伸ばす余地はあるとみている」と続けた。
18日の米国株は消費者物価指数(CPI)の下振れを受けて、来年の利下げ観測が高まったことが追い風となった。テクノロジー株が相場を主導し、ブルームバーグが算出するマグニフィセント・セブン指数は2%上昇。ナスダック100指数も1.5%上昇した。
これは、テクノロジー株の一段高を見込んだオプションを購入してきたデリバティブトレーダーにとって朗報だ。サスケハナがまとめたデータによると、具体的にはエヌビディア、マイクロン・テクノロジー、テクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド(XLK)に連動するコールスプレッドを買い進める一方、アルファベット、エヌビディア、ブロードコムといった大型テック株のプットを売却している。
「これは下落が浅く、一時的にとどまるという典型的な自信の表れだ」。こう指摘するのはサスケハナでデリバティブ戦略共同責任者を務めるクリス・マーフィー氏だ。その上で「投資家はテクノロジー株の調整局面を、AIや半導体、長期デュレーションのハイテク株へのエクスポージャーを増やす機会として利用しており、そこから資金を引き揚げているわけではない」と語った。
米国株を取り巻く環境も引き続き良好だ。ゴールドマン・サックスによると、過去9週間で米国株には約1000億ドル(約15兆7300億円)の資金が流入しており、2025年を通じて見られた安定的なマネーの流入が続いている。同社が追跡する投資家センチメント指標は、4月以来で最も強気な水準にある。
今年の米国株式市場で最大の応援団となってきた個人投資家も、熱意を失う兆しをほとんど見せていない。シタデル・セキュリティーズのデータによると、個人投資家は過去33週間のうち32週間で米国株のコールオプションを買い越しており、これは同社のデータで最長の期間だ。
シタデル・セキュリティーズで株式および株式デリバティブ戦略責任者を務めるスコット・ラブナー氏は「好調な投資リターンと記録的な家計資産となった1年を経て、個人投資家は強い確信と市場参加を拡大できるバランスシート余力の双方を備えた状態で2026年を迎えている」と18日付のリポートで記述。
機関投資家も株式市場に対してより前向きになっており、過去数週間に市場全体でコールを買い集め、大手テクノロジー以外のセクターにも資金を振り向けていると指摘した。景気に敏感な不動産と資本財銘柄は、2週連続で最も強い買いシグナルを示したという。
季節的に取引が落ち着く時期を前に、ボラティリティーが低下していることも追い風となっている。S&P500種の10日間実現ボラティリティーは、今年最も低い水準の一つにまで低下しており、ボラティリティー目標型やトレンド追随型ファンドが株式エクスポージャーを拡大するきっかけとなる可能性がある。
ゴールドマン・サックスのトレーディングデスクでは「ボラティリティーはさらに低下する余地がある」と予想。「インプライド・ボラティリティーの低下により、システマティック運用による再レバレッジが加速するだろう」と述べた。
原題:At Goldman and Citadel Securities, the Santa Rally Has Believers(抜粋)
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