(ブルームバーグ):インドで外資による国内保険会社への100%出資が解禁される。金融セクターの大規模な改革の一環で、海外からの長期資金を呼び込む狙いだ。
インド議会は17日、外資による保険会社への出資比率の上限を現行の74%から撤廃する法案を承認した。大統領の署名を経て成立する。
完全子会社化により、保険各社は若年層の資産形成ニーズへの対応など、成長するインド市場で柔軟な事業展開が可能になる。インドでは外資による国内銀行への出資が急増しているほか、米金融大手がインドをテクノロジー拠点として活用する動きが加速しており、保険セクターの開放もこの流れに沿うものだ。
モディ首相は、インドを2047年までに先進国入りさせるという目標を掲げている。達成には海外からの投資、とりわけ保険会社が運用する長期資金が不可欠だ。同年前後には60歳以上の人口が子どもの数を上回る見通しで、社会保障を補完する保険会社の体力強化が急務となっている。
独アリアンツや仏アクサ、日本生命保険など世界的な保険大手は、すでに長年インドで事業展開してきたが、完全子会社化が可能になれば投資拡大や独自の成長戦略が描きやすくなる。
インドの保険浸透率(国内総生産(GDP)に対する保険料収入の割合)は約3.7%にとどまり、タイや日本、韓国など他のアジア諸国を大きく下回っている。規制緩和で海外勢の新規参入が促される一方、激しい競争が続く販売網の開拓が今後の成否を握る。
政府はまた、保険セクターへの外資を巡る既存の規制や条件についても見直しと簡素化を進める方針を示している。
原題:India Allows 100% Foreign Ownership Stakes in Insurers (1)(抜粋)
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--取材協力:Debjit Chakraborty.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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