英石油大手BPは、オーストラリアのウッドサイド・エナジー・グループのメグ・オニール前最高経営責任者(CEO)を次期CEOに任命した。石油メジャーで経営トップに女性が就くのは初めて。再生可能エネルギーへの事業転換に失敗し、業績回復に苦戦するBPはオニール氏に再建を託す。

19日の発表資料によると、米国人のオニール氏はマレー・オーキンクロス現CEOの後任として2026年4月に就任する。それまでの間はキャロル・ハウル氏が暫定CEOを務める。

BPは原油流出事故や戦争、脱炭素事業の低い収益性などが重なり、同業他社に比べ後れを取っている。アクティビスト(物言う株主)エリオット・インベストメント・マネジメントが経営改善を求めて圧力を強めていた。

Photographer: Matt Jelonek/Bloomberg

BPは2月に戦略を見直し、石油・ガス事業への回帰を表明。負債削減と財務体質の改善を目的に資産売却を進めているが、これまでのところ小規模な売却しか発表していない。

オニール氏はウッドサイドのCEOに就任した2021年以降、BHPグループの石油事業の買収を完了させ、液化天然ガス(LNG)事業の海外展開を推進した。米エクソンモービルに20年以上勤務した経験も持つ。同氏は石炭削減と排出抑制のための移行燃料と位置づける天然ガスの利用を強く提唱している。

BPは7月、エリオットからの圧力を受けてアルバート・マニフォールド氏を会長に指名している。オーキンクロス氏は当時、「BPの戦略を加速できる適任者が見つかれば」退任をいとわない考えを示していた。

原題:BP Makes O’Neill Big Oil’s First Female CEO in Bid for Revival(抜粋)

--取材協力:Carmeli Argana、Keira Wright、David Stringer.

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