(ブルームバーグ):格付け会社ムーディーズ・レーティングスはステーブルコインについて新たな格付けの仕組みを導入する方針だ。約3000億ドル(約47兆円)規模の同市場に関し投資家の評価のあり方が変わる可能性がある。
ムーディーズが12日に公表した提案によると、各トークンの準備資産の質、時価リスク、運用上の安全策に基づきステーブルコインに預金格付けを付与する。1月29日まで受け付けるパブリックコメントを踏まえた上で採用する計画だ。
今回の提案は、世界各地でステーブルコインの利用が拡大し、新たな規制枠組み整備が進む中で示された。米国では7月にステーブルコインの規制を定める「ジーニアス法」が成立した。米ドルに1対1で連動するよう設計されていることが多いステーブルコインは、デジタル資産市場の重要な流動性供給源とされる。
同社は声明で「ステーブルコインは銀行、企業の財務担当者、決済システムにとってますます重要になっている」と指摘。ただ「なお発展途上で不透明なことが多い」市場に対し、独立した評価を提供することが狙いだと説明した。
ステーブルコインは一般的に、現金や短期国債などの現金同等物の組み合わせで裏付けられており、発行体は定期的に準備資産の報告書を公表している。ただ、全ての発行体が包括的な監査を受けているわけではなく、業界で論争を招いてきた。最も普及しているステーブルコイン「USDT」を発行するテザーもその一つだ。
原題:Moody’s Stablecoin Rating Proposal Aims to Assess Liquidity Risk(抜粋)
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