(ブルームバーグ):ANAホールディングス(HD)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は16日、飛行中の旅客機内から地表面までの大気を遠隔で観測する実証を始めると明らかにした。将来的には二酸化炭素(CO2)の観測データを企業に販売することなどで収益化を目指す。
発表によると、ANAHDとJAXAは世界で初めて運航中の定期旅客便の客室内から大気成分の自動観測ができる装置を共同開発した。衛星による観測と組み合わせることで、より精度の高い観測網の構築を目指す。
異常気象の増加など地球温暖化の影響は年々深刻化しており、CO2など温室効果ガス(GHG)の排出削減は急務となっている。調査会社マーケット・データ・フォーキャストは政府の規制強化などに伴いGHG監視システムの需要は増加するとして、昨年32億2000万ドル(約5000億円)だった市場規模は2033年までに54億4000万ドルに成長すると予測している。
JAXAXとの実証を担当するANAHD宇宙事業チームの松本紋子氏は16日の説明会で、既に観測データの利用を希望する企業もあるとし、将来的に大企業に対する「販売モデルを作っていくことを目指していきたい」と述べた。企業にとっては今後、CO2を削減したときに「自分たちがどれだけ削減したかをモニタリングできるというメリットも大きい」と説明した。
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2025 Bloomberg L.P.