(ブルームバーグ):自作のイスラム国(IS)旗が、オーストラリア・シドニーのボンダイビーチで起きた銃撃事件の容疑者名義の車両から見つかったと、オーストラリア当局が16日に発表した。
また、容疑者の父子が先月、フィリピンのIS系武装勢力の活動地域を訪れていたとマニラの当局者が発表。銃撃事件の背景が明らかになりつつある。
息子の車両からは爆発物と自作のIS旗2枚が見つかったと、ニューサウスウェールズ州警察トップのマル・ラニオン氏が会見で述べた。
オーストラリア連邦警察のバレット長官は「初期の情報では、ISに触発された父子によるテロ攻撃とみられる」と同じ会見で述べ、他に容疑者は確認されていないと説明。「これは宗教ではなく、テロ組織に自身を重ね合わせた者たちによる行為だ」と指摘した。
オーストラリア放送協会(ABC)は法執行当局の情報として、身元をナビード・アクラム容疑者(24)とサジド・アクラム容疑者(50)と特定した。現場で死亡した父親は1998年に学生ビザで豪州に入国したと、当局は父親の氏名を挙げずに確認した。
一方、フィリピン移民局は16日、容疑者の父子が先月入国していたと発表した。2人は11月1日にシドニーから入国し、ミンダナオ島のダバオに向かった。同島はIS系組織の活動地域として知られる。
移民局の報道官によると、2人はダバオからマニラ経由でシドニーに向かう乗り継ぎ便を利用して11月28日に出国した。同局は、父親はインド国籍でオーストラリア在住、息子はオーストラリア国籍だと説明した。
インド外務省にコメントを求めたがすぐに返答はなかった。
ABCによると、息子は2019年にオーストラリア保安情報機構(ASIO)の捜査対象になっていた。また、シドニーのIS系テロ組織の構成員と接点を持ち、急進派聖職者ウィサム・ハダッド氏を信奉していたという。
原題:Bondi Beach Gunmen Had ISIS Flags, Visited Philippines (1)、Philippines Says One Bondi Shooter Was Indian National (Correct)(抜粋)
(アップ前の記事はインド旅券に関する記述を訂正済みです)
--取材協力:Dan Strumpf.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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