(ブルームバーグ):ロボット掃除機「ルンバ」を製造する米アイロボットは14日、米デラウェア州の連邦破産裁判所に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。主要サプライヤーで、貸し手だった深圳市杉川機器人とサントラム香港に支配権を譲渡する再建支援合意に達した後、今回の措置となった。
再建案の下、掃除機メーカーの杉川機器人が再編後のアイロボットの全株式を取得する。提案されている破産法11条の計画では、同社の普通株式は価値を失うことになっている。
アイロボットの発表によると、今回の計画によって事業は継続され、従業員への責務を果たし続けることが可能になるほか、裁判所の監督下で行われる手続き期間中も、ベンダーやその他の債権者への支払いが期日通り全額行われる。
アイロボットのゲーリー・コーエン最高経営責任者(CEO)は発表文で、「本日の発表はアイロボットの長期的な将来を確保する上で極めて重要な節目になる」と説明した。
同社は数年にわたる収益の減少を受け、今月に入り破産の可能性を警告していた。その際、杉川機器人が米投資会社カーライル・グループから同社の負債の大部分を取得しており、アイロボットは新たな資本の確保と未払い債務への対処に向けて協議中だとしていた。
マサチューセッツ工科大学(MIT)のエンジニア3人によって1990年に設立されたアイロボットは、30年以上にわたって進化を続けてきた。同社のウェブサイトによると、5000万台以上のロボットを販売し、初期には大きな成功を収めた。しかし、サプライチェーンの逆風や競争激化により、2021年以降、収益が減少に転じていた。
期待されていた米アマゾン・ドット・コムによる買収も、規制当局の懸念により白紙に戻っていた。
原題:Robot Vacuum Roomba Maker Files for Bankruptcy After 35 Years(抜粋)
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