問われる「税の公平性」 数の論理か経済の論理か

税負担の見直しについて、番組はNEWS DIGのアプリを通じて、アンケートを行いました。

超富裕層への課税の強化 どう思う?
▼格差是正と財源確保につながる
→59.4%
▼税率設定は慎重
→25.1%
▼経済成長優先
→6.1%
▼仕事の意欲低下
→3.9%
▼その他・わからない
→5.6%

▼格差是正と財源確保につながる、▼税率設定は慎重、という選択肢を「賛成」とすると、およそ9割の回答者が課税強化に肯定的な意見を示しています。一方で、▼経済成長優先、▼仕事の意欲低下を「反対」とすると、否定的な意見はおよそ1割程度です。

この議論のポイントは「税の公平性」という点でしょうか。

伊沢拓司さん:
個人投資家のテスタさんがおっしゃっていたように、アンケートを行うとこういう結果になるでしょうという感覚です。

もちろん多数決だけではなく、経済の論理で考えるべきことだとは思いますが、とはいえ、課税の対象者がおよそ2000人増加するだけで数千億円の税収増と聞くと、やっぱり効率が良さそうという感じはします。

資産の海外流出についても、課税強化の効果に対してどれくらいの反動があるのかというのはもちろん考慮した方がいいとは思いますが、それより先にやるべき政策をあえて挙げるとするならば、超富裕層がけっこう使っている節税スキームに対して、「裏技」的なお金の流れに規制を強めることが、順序的には優先されるべきなのかなと考えます。

本来ならば納められているべき税が納められてないということは、公平性の観点からすると非常に問題なので、まずはそこに道筋をつけて、その後に税率については慎重に検討をしていくべきなのかなと思います。

小川彩佳キャスター:
まさにそこですよね。テスタさんもおっしゃっていましたが、超富裕層は海外の税率が安い国に引っ越した方がいいんじゃないかとか、そうなると日本に税金が全く入らなくなる。租税回避地に移住してしまうということも起きかねないという。ここにどう対処していくのかということを考えていかなければならないですよね。

伊沢拓司さん:
超富裕層だから可能である手段。これがどれぐらい起こるのかというのは、予測することが結構難しいと思うので、海外事例、例えばブラジルは最近、富裕層に対する課税の検討が進んでいるようなので、そういったところを参考にしていくということになるのかなと思います。

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<プロフィール>
伊沢拓司さん
株式会社 QuizKnock CEO
クイズプレーヤーとして活躍中