(ブルームバーグ):国際決済銀行(BIS)は8日、四半期ごとの市場動向報告書を発表し、個人投資家が最近の金価格急騰をけん引し、金地金を伝統的な安全資産から、より投機的な資産に変えたと指摘した。
株式バリュエーションの過熱に対する懸念が高まる中、安全資産へのエクスポージャーを求める機関投資家が上昇をあおった可能性はあるが、個人投資家がこの動きに乗ろうとしたことで増幅された形跡がある。BISは、こうした流れが従来のパターンからの転換を促したと述べた。
BISのシン・ヒョンソン金融経済部長は、バーゼルで記者団に「金価格は他のリスク資産と共に上昇し、安全資産としての歴史的なパターンから逸脱した」と語った。
金地金は9月初旬以来、約20%上昇している。ポートフォリオのフローデータによると、この上昇の一因は、金に関する「メディアの過熱報道」に乗じようとした「トレンドを追う投資家」だとBISはみている。
BISは、この上昇の要因は、利下げ期待がリスク選好をあおり、景気減速への懸念を和らげたことが要因としている。株式市場は、4月にトランプ米大統領が関税を発表して落ち込んだ後、上昇を続けた。テクノロジー、特に人工知能(AI)関連の株式が上昇をけん引したが、株価の急速な伸びへの不安も高まっていた。
BISは、過去数四半期は、少なくとも過去50年間において、金と株式が同時に「爆発的な領域」に入った唯一の時期だと指摘し、「爆発的な上昇期の後、バブルは通常、急激かつ迅速な調整によって崩壊する」と警告した。1980年の金相場の事例を引用しつつ、調整はさまざまな、そして長い時間枠で起こり得るとも述べた。
また、BISは世界各国のひっ迫した予算・財政予算について繰り返し警告し、複数の先進国が9-11月に「多額の」債務を発行したことにも触れた。その結果生じた国債の過剰供給により、一般的なスプレッド関係が逆転し、ヘッジファンドが金利スワップを用いた相対価値取引に参入する動きが活発化した。
シン氏は「政府への貸し出しには追加コスト、つまり利便性スプレッドが発生すると想定されていた。だが今や、この利便性スプレッドは消滅した」と語った。
原題:Gold Surge Sees Shift to Speculative Asset From Haven, BIS Says(抜粋)
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