(ブルームバーグ):ウクライナによるロシア関連船舶への一連の攻撃を受け、黒海の港に寄港する船舶への保険料が急騰している。
世界最大の保険ブローカーであるマーシュによると、黒海沿岸のロシアの港に寄港する船舶に対する保険料は、最近の攻撃以前は船舶価値の0.25%-0.3%だったが、現在はその3倍以上に跳ね上がった。
黒海のウクライナの港に寄港する船舶に対しては、最大で1%の保険料を求めるケースも見られていると、市場関係者の2人が指摘。この関係者は匿名を条件に語った。
制裁を回避するため秘密で運航するロシアの「シャドーフリート(影の船団)」2隻に対し、ウクライナは最近攻撃したと認めた。このほか先週末以降、さらに2隻のロシア関連船舶が被害に遭う事案が発生した。
特殊保険大手ペン・アンダーライティング傘下で船舶戦争保険を専門的に手がけるベッセル・プロテクトのオペレーション責任者、ムンロ・アンダーソン氏は「ロシアの港への寄港に関して、これまで以上に広範な攻撃可能地域と再発の高い可能性を織り込んで、引受業者は価格を設定している」と指摘。「攻撃がエスカレートする中で、ウクライナに関連する船舶にロシアが報復する可能性も高まっている」と述べた。
ロシアの石油インフラ全体が攻撃を受ける中で、黒海地域の航行リスクは大きく上昇した。ここ数週間に爆発があった船舶のうち3隻は黒海で発生しており、ロシアのプーチン大統領は2日、ロシアが報復する可能性に言及した。
また、ルーマニア国防省は3日、同国の黒海の港であるコンスタンツァから東に36マイル(約58キロメートル)離れた海域で、水上ドローン「シー・ベイビー」を無力化させる任務をダイバー部隊が実施したと発表。ロシアとウクライナ以外の黒海沿岸諸国への航行にもリスクが存在することが浮き彫りとなった。
原題:Black Sea War Insurance Soars 250% After Ship Attacks (1)(抜粋)
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