(ブルームバーグ):カナダの鉱業大手バリック・マイニングは、北米に保有する中核的な金資産の新規株式公開(IPO)を検討している。評価額が600億ドル(約9兆3400億円)を突破し得る資産だ。
トロントに本社を置くバリックは1日に発表した資料で、米ネバダ州での合弁権益やドミニカ共和国の大規模鉱山を中核とする事業部門の少数持ち分売却の可能性を経営陣が検討することを取締役会が承認したと明らかにした。
経営陣は2026年初めまで検討を続け、同年2月に進捗(しんちょく)状況を市場に報告する予定。
今回の発表は、ブルームバーグが10月に報じた内容を裏付けるもので、アクティビスト(物言う株主)として知られる米エリオット・インベストメント・マネジメントがバリックの株式を先に大量取得していた。
バリックは、北米の最上位資産を他の幅広い資産群から切り離すことを想定。IPO実施後も、バリックは新会社の支配権を維持するという。バリックが全額出資するネバダ州のフォーマイル金鉱も新会社に含まれる見通しだ。最終判断には引き続き取締役会の承認が必要となる。
バリックの北米資産は、投資家が競合のアグニコ・イーグル・マインズと同じような評価を適用した場合、620億ドル近くに達する可能性があると、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、グラント・スポア氏は1日のリポートで指摘した。

原題:Barrick Mulls North America Gold IPO After Mining Setbacks (3)(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.