米ナイキは、業績立て直しとスポーツウエア市場での地位回復を目指すエリオット・ヒル最高経営責任者(CEO)の下、経営体制の再編を続けている。

同社は2日、2023年11月に入社したムージェ・ドーガン最高技術責任者(CTO)と、ジョーダンブランドの元責任者のクレイグ・ウィリアムズ最高商務責任者(CCO)のポストを廃止すると発表した。

ドーガン氏とウィリアムズ氏はいずれもジョン・ドナホー前CEOの下で要職を担っていた。ウィリアムズ氏は、昨年ヒル氏がCEOに就任する前には、CEO候補と目されていた社内幹部の一人だった。

新設の最高執行責任者(COO)には、現在、最高サプライチェーン責任者(CSCO)を務めるヴェンカテッシュ・アラギラサミー氏が就任する。ナイキで約20年間経験を積んだベテランの同氏は、既存業務に加えてテクノロジー部門も統括する。

ナイキはまた、4つの地域統括部門のシニアリーダーがヒル氏直属の経営幹部チームに加わると明らかにした。

今回の再編は、ヒル氏の下でアスリート重視に立ち戻り、ブランドへの関心を再び高める取り組みの一環として行われた。

世界最大のスポーツ用品メーカーである同社は近年、ライフスタイル向けスニーカーの販売に過度に注力する一方で、アスリート向け商品の強化を怠ったことで顧客離れが進んでいた。昨年は売上高が50億ドル減少し、CEO交代に踏み切った。

ナイキの株価は、年初から2日終値まで14%超下げている。

同社は5月にも経営体制の再編を発表しており、その一環で、かつてCEO候補の一人と見られていたコンシューマー・プロダクト・ブランド担当プレジデントのハイディ・オニール氏が退社した。

原題:Nike Continues to Shake Up Leadership Team Under CEO Hill (1)(抜粋)

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