ハーバード大学の元学長で米財務長官も務めたラリー・サマーズ氏は、米国経済学会(AEA)から終身の会員資格停止処分を科された。未成年の性的人身売買などで起訴され自殺したジェフリー・エプスタイン氏と、サマーズ氏との交流が先月明るみに出たことを受けた措置。

AEAは2日に出した声明で「公的に報じられたやり取りに照らし、サマーズ氏の行為は当協会の職業倫理基準や、経済学分野におけるメンターに寄せられる信頼と根本的に相いれない」と非難した。

ラリー・サマーズ氏

サマーズ氏は数年にわたりエプスタイン氏と、私的な関係に関する相談からトランプ大統領に関する話題まで、電子メールでやり取りしていたことが、米下院監視・説明責任委員会が公開したエプスタイン氏のメールで明らかになった。開示された文書には、他の学者やトランプ大統領の元顧問スティーブ・バノン氏、今年解任された英国駐米大使のピーター・マンデルソン氏など、著名人とのやり取りも含まれていた。

サマーズ氏は1999から2001年に財務長官を務めた。先月発表した声明では、自身の行為を「深く恥じている」と述べ、有償コントリビューターを務めていたブルームバーグテレビジョンでの役割を含め、公的活動から退くことを選んだとした。

サマーズ氏は28歳でハーバード大学の終身在職権付き教授となり、AEAが40歳未満の卓越した米国人経済学者に授与するジョン・ベイツ・クラーク賞を受けた。ハーバード大学長職は2006年に辞任。女性が数学や科学分野で活躍できないのは先天的な性差に起因するとした発言を含め、他の教員と対立した。

原題:Larry Summers Barred for Life from American Economic Association(抜粋)

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