米コンピューター大手、デル・テクノロジーズを創業したマイケル・デル最高経営責任者(CEO)とスーザン夫人は、米国の子ども2500万人それぞれに250ドル(約3万9000円)を提供し、将来の資産形成に向けた投資口座の立ち上げを後押しする。

デル夫妻による総額62億5000万ドルの寄付は、「トランプ口座」として知られる政府の「インベスト・アメリカ(米国に投資を)構想」を拡張するもの。同構想は2025年から28年の間に生まれた子どもを対象に、1人当たり1000ドルを政府が拠出するが、デル夫妻は政府構想の対象から外れた10歳以下の子ども向けに資金を財務省に寄付する。この年齢層の80%を網羅する見通しだという。

マイケル・デル氏とスーザン夫人

「すべての子どもが『将来のために貯蓄する価値』を理解できれば、この構想は想定以上の成果を成し遂げる」とデル氏はインタビューで語る。「何世代にもわたる希望と機会、繁栄を築くことになるだろう」と話した。

デル氏の資産は1480億ドルで、ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば世界11位の富豪とされる。同氏はトランプ口座を公に支持している。

トランプ米大統領はデル夫妻の発表について「2人は偉大な人物だ。デルは素晴らしい!」と2日、ソーシャルメディアへの投稿で称賛した。

2日の米株式市場でデルは一時4.5%上昇した。

政府プログラムは預かった資金を低コストの分散型インデックスファンドに投資する。子どもは18歳になれば引き出すことができるようになり、大学進学や住宅購入、起業資金などに使える。

デル氏自身も1000ドルが人生を変え得ることを知っている。「1984年にテキサス大学の寮で、1000ドルを元手にデルを創業した」と同氏は語る。デルは時価総額約900億ドルのコンピューター大手に成長した。

マイケル・アンド・スーザン・デル財団はこれまでに計29億ドル余りを子どもの教育・医療などに充てている。

原題:Michael Dell Gives $6.25 Billion to Trump Accounts for Kids (1)(抜粋)

--取材協力:Ben Steverman.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.