(ブルームバーグ):イングランド銀行(英中央銀行)によると、英国の主要銀行7行は全て、中銀による最新のストレステスト(健全性審査)に合格した。中銀が2日、審査結果を公表した。
世界金融危機を上回る規模の経済ショックに対する各行の耐性を検証した今回のテストで、各行はいずれも、景気に大きなストレスがかかる局面でも貸し出しを継続できるだけの資本を確保していると判断された。各行の合格は予想通りだった。
今回のシナリオには、深刻な世界的供給ショックにより各国で深いリセッション(景気後退)が起き、先進国でインフレが上昇する状況が含まれる。英中銀の説明によると、インフレを目標水準に戻すため、各国・地域の中銀が金利を引き上げることが想定されている。
英中銀は報告書で、「英国の銀行システムは、経済情勢が予想を大きく下回る展開になった場合でも経済を支え続けることができ、長期的で持続可能な経済成長に貢献できる」ことを審査結果が示したと説明した。
英当局は、世界金融危機後の2014年に定期的なストレステストを導入し、金融機関が厳しい経済環境に耐え得る十分な資本を備えているかを確認している。審査は隔年で実施され、前回の23年7月も全行が合格している。
対象の7行は、バークレイズ、HSBCホールディングス、 ロイズ・バンキング・グループ、ネーションワイド・ビルディング・ソサエティ、ナットウエスト・グループ、サンタンデール銀行の英部門、スタンダードチャータード。これらの銀行は合計で英経済向け貸し出しのおよそ75%を占める。
今回のテスト結果に基づいて資本増強を求められる銀行はなかった。
原題:UK’s Biggest Lenders Show Resilience in BOE’s Latest Stress Test(抜粋)
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