ダイハツ工業が出資するマレーシアの自動車メーカー、プロドゥアは1日、同社初となる電気自動車(EV)「QV-E」を発表した。バッテリーと分けて販売することで初期費用を抑え、中所得者層の需要喚起を狙う。

発表資料によると、バッテリー関連費用を除いた本体価格は8万リンギット(約300万円)から。車両に搭載されるリン酸鉄リチウム(LFP)電池は顧客にリース提供される。航続距離は最大445キロだ。

ザイナル・アビディン・アーマド最高経営責任者(CEO)は、電池のリース提供について「バッテリー式EVを所有する際の不安を軽減するための解決策だ」とし、「顧客の安心のためにバッテリーに生涯の保証を付帯できる」と述べた。

EVの開発費は8億リンギットで、プロドゥアの最新工場で製造される。ザイナル氏によれば、初期生産台数は月500台だが、2026年7-9月(第3四半期)までに月3000台に引き上げる計画という。

プロドゥアはマレーシアでEVを発表した2社目の自動車メーカーだ。中国の吉利汽車が49.9%出資するプロトン・ホールディングスは昨年6月に自社EVブランドを発表している。プロトンの「e.MAS 5」はマレーシアで最も安価なEVモデルで、価格は5万6800リンギットからとなっている。

マレーシアではEVの普及が進んでいる。今年1-10月までの登録台数は4万679台に達し、24年通年の2万8048台を上回る。マレーシア政府は30年までにEV販売比率を15%に引き上げ、50年までに温室効果ガスの排出量を正味ゼロにする「ネットゼロ」の達成を目指す方針だ。

プロドゥアは国内部品業者と連携し、26年初頭までにEV部品の現地調達率を50%超、30年までに70%に引き上げる計画だ。

同社は、マレーシアの複合企業サイム・ダービー傘下のUMWホールディングスが38%を保有している。ダイハツ工業の出資比率は25%、三井物産は7%となっている。

原題:Malaysia’s Perodua Unveils $19,000 EV, Battery Not Included(抜粋)

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