(ブルームバーグ):財務省が2日に実施した新発10年国債の入札は、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が過去12カ月平均(3.2倍)を上回った。利回り水準の高さを評価した投資家の需要が集まり順調にこなした。
入札結果によると、応札倍率は3.59倍だった。前回は2.97倍。最低落札価格は98円53銭と市場予想の98円50銭を上回った。大きいと不調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は4銭と、前回の13銭を下回った。結果を受けて債券市場では長期国債先物12月物が一時前日比23銭高の134円66銭まで上げ幅を拡大した。
SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは、最低落札価格、応札倍率、テールのどれを取っても悪くなく、やや強めの結果だったと指摘。利回りが17年ぶりの高水準を更新し、投資家にとって「日本銀行が1回利上げしても十分魅力的な水準と映ったのだろう」と語る。
日銀の植田和男総裁は1日の講演で、18、19日に開く金融政策決定会合で「利上げの是非について適切に判断したい」と語り、利上げを行う可能性を示唆した。利上げ観測の高まりから、新発10年国債利回りは2日午前に一時1.88%と2008年以来の高水準を更新した。10年債入札を無難に消化したことにより、午後の市場は落ち着きを取り戻しつつある。
明治安田アセットマネジメント債券運用部の大﨑秀一シニア・ポートフォリオ・マネジャーは、10年ゾーンが安定すれば国債の利回り曲線全体が落ち着く可能性があるとみる。ただ、財政政策への懸念は残るため買いにくい状況は変わらないとも指摘した。
SMBC日興の田氏も、金利市場は今月の利上げを織り込んでおり、政策金利に敏感に反応する中長期金利は今後落ち着くと予想する。その上で、財政政策に敏感に反応する超長期金利については「補正予算も成立しておらず、財政支出規模が拡大する可能性もあり、不安定な動きが続く」との見方を示した。新発30年債利回りは2日に一時3.41%と過去最高を更新した。
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