米OpenAIは、ベンチャーキャピタルのスライブ・キャピタルが今年立ち上げた投資ビークル、スライブ・ホールディングスの持ち分を取得する。OpenAIと出資企業との間で行われる還流型取引がさらに増えた。

スライブ・ホールディングスは、OpenAIの主要投資家スライブ・キャピタルが、人工知能(AI)で恩恵を受けそうな企業の創業・買収を目的に設立した。1日に発表された提携の下、OpenAIはスライブ・ホールディングスと連携し、まずは会計やITサービス分野で企業へのAI導入加速を目指す。

OpenAIの広報担当者によると、同社はスライブ・ホールディングスに投資するわけではない。OpenAIチームへのアクセスを提供する対価として持ち分を受け取る。両社によれば、OpenAIのスタッフをスライブ・ホールディングス傘下の企業に派遣し、業務の「迅速化、精度向上、コスト効率改善」を図ることが狙いだとしている。

今回の提携は、OpenAIとスライブ・ホールディングスが重視する企業のAI導入拡大が狙いだ。OpenAIなどAI開発企業は膨大な開発・運用コストを賄うため、自社システムのビジネス上の価値を実証し、より多くの顧客を獲得することに意欲を示している。

だが今回の動きで、還流的だと批判されてきたOpenAIの一連の取引がさらに増える格好となった。投資家やアナリストは、AI分野でしのぎを削るテクノロジー企業同士が株式や半導体、クラウド契約などを通じて資金調達やサービス提供を相互に行う取引にますます厳しい目を向けている。こうした提携を受け、複雑に絡み合う取引構造がAIブームを人為的に押し上げているとの懸念が強まっている。

原題:OpenAI Gets Stake in Thrive Holdings, Adds to Circular Deals (2)(抜粋)

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