暗号資産(仮想通貨)が1日の取引で急落。これまで一服していたかに見えた全面的な売りが再燃している。

ビットコインはニューヨーク時間午前終盤の取引で約7%下落し、8万5000ドルを割り込んだ。ブルームバーグの集計によると、イーサも約7%安となり、2800ドルを下回った。ソラナも約8%下落するなど、売りは全般に広がっている。

暗号資産市場は10月初旬の強制清算の連鎖が発生して以降、不安定な地合いが続いている。11月には17%下落したが、先週には売り圧力が和らぎ9万ドル台を回復していた。

だが、この日の売りを受けて、一段の急落リスクに対する警戒が高まっている。

ファルコンXのアジア太平洋デリバティブ責任者ショーン・マクナルティ氏は「12月はリスクオフの幕開けだ」と指摘。「最大の懸念は、ビットコイン上場投資信託(ETF)への資金流入に乏しく、押し目買いが不在なことだ。今月も構造的な逆風が続くとみている。ビットコインの次の重要な支持線として8万ドルを注視している」と話した。

週明けの米株市場が弱含む中で、広範なマクロ要因の変動による影響も受けた。日本銀行の植田和男総裁による12月利上げの可能性を示唆する発言を受けて、日本株・債券が大きく下落。円は対ドルで上昇した。

CoinExのチーフアナリスト、ジェフ・コー氏は「マクロ環境では、日本国債の利回り上昇が追加の重しとなった。円キャリートレードの巻き戻しが加速する可能性を市場が織り込み始めており、歴史的にこうした動きは仮想通貨を含む世界のリスク資産を圧迫する傾向がある」と述べた。

ビットコインを大量に保有するストラテジーはこの日、今後の配当や利払いに備えて14億ドル(約2200億円)の準備金を設けたと発表した。保有するビットコインの売却を迫られるとの懸念を和らげる狙いがある。ただ、不安払拭(ふっしょく)には至っておらず、同社株価は一時7.9%下落した。

新たな準備金はクラスA普通株の売却資金で賄われ、少なくとも今後21カ月分の配当支払いを手当てできると同社は説明。また今後は、最長で2年分の支払いを賄えるだけの資金を準備金として維持する方針だという。

一方、ブルームバーグのデータによると、米国の現物ビットコインETFは先週7000万ドルの流入にとどまった。過去1カ月では約46億ドルが流出。その大半はiシェアーズ・ビットコイン・トラストからだった。投資家は同ファンドから5週連続で資金を引き揚げており、2024年1月の上場来の長期流出局面となっている。

原題:Bitcoin Slide Resumes in a Risk-Off Start to December Trading、Strategy’s Dollar Reserve Fails to Soothe Bitcoin-Sales Concern(抜粋)

--取材協力:Emily Nicolle、Dave Liedtka、Vildana Hajric.

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