(ブルームバーグ):英ヘッジファンド運営会社マーシャル・ウェイスは、人工知能(AI)人材の獲得競争が激化する中、コスト上昇分の一部を顧客に転嫁する方針だ。テクノロジーやトレーディング、リスク管理の人材確保と引き留めにかかる費用が膨らんでいることが背景にある。
システマティック戦略の「TOPS」ファンドの投資家に宛てた書簡で、早ければ来年1月1日から新たな手数料が適用されると伝えた。既存の運用および成功報酬に上乗せされる形となる。書簡の内容をブルームバーグが確認した。
運用コストを顧客側に転嫁する手法はマルチマネジャー型ヘッジファンドではよく見られるが、同社のようなロング・ショート株式ファンドが実施するのは異例。
書簡では、投資チームが依拠するTOPSシステムの「中核」を支えるテクノロジーの構築を担う「最高水準」の人材を採用・維持することはマーシャル・ウェイスにとって「極めて重要」だと指摘。
こうした人材の採用はAIや機械学習、大規模言語モデル(LLM)への依存度が高まる中で、ファンド戦略の継続的な発展に「不可欠」だと述べた。またトレーディングやリスク管理の優秀な人材を確保することは競争力を維持する上で重要だとも述べた。
人件費は多くのヘッジファンドにとって最大の支出項目で、特にマルチストラテジー型では顕著だ。事情に詳しい関係者によると、マーシャル・ウェイスは来年、人材獲得に絡む費用として3500万-4000万ドル(約55億-62億5000万円)を顧客に転嫁する見通しで、これはファンド価値の約0.09%に相当する。
マーシャル・ウェイスの広報担当者はコメントを控えた。
原題:Marshall Wace to Charge Clients for Costs of Hiring AI Talent(抜粋)
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