全日空は29日朝、同日の関西-羽田便など国内線65便を欠航すると発表した。欧州航空安全庁(EASA)が発行した耐空性改善通報に基づくエアバス機の整備作業のためとしている。欠航により約9400人に影響が出る見込みだという。

整備作業の対象となるのは同社が保有するエアバス321型機と同320型機。機体システムのソフトウエアアップデート作業が必要となり、順次対応を進めている。29日以降の運行便に遅延・欠航が発生するため、多大なるご迷惑を深くおわびするとしている。

これに先立ち、欧州の航空機メーカー、エアバスは、米格安航空会社ジェットブルー・エアウェイズの航空機で最近発生した事案を受け、運航している単通路機A320ファミリーの半数超でソフトウエアの修正が必要になると警告した。事案では「強い太陽の放射」によって飛行制御の維持に必要なデータが破損する可能性があることが明らかになっている。

エアバスが28日に発表した資料によると、影響を受ける可能性がある機体は合計で6500機超に上る。規制当局からの通知によると、アップデート作業は次の定期便の運航前に実施しなければならないとしている。

エアバスは「これらの勧告が旅客や顧客に運航上の混乱をもたらす見通しだ」とした。

エアバスの「A321neo XLR」

10月30日にはカンクン発ニューアーク行きのジェットブルー機でコンピューターの不具合が発生。パイロットの操作なしに突如として予期しない降下姿勢に入った。負傷者は出なかったものの、機体はフロリダ州タンパにダイバート(代替着陸)した。

エアバスにとってA320ファミリーは主力機で、1万1000機超が運航されていることから、今回の不具合は大きな打撃となる可能性がある。一部の航空会社はすでに対応を始めており、アップグレード作業に着手。米アメリカン航空グループは約340機が対象で、大半はきょうとあすで更新を受ける予定だとした。

アメリカン航空は発表資料で「アップデート作業に伴い一部で遅延が発生する見通しだが、特に連休からの帰宅ラッシュ時において欠航を極力抑えることに注力している」とした。

事情に詳しい関係者によると、大半の機体は操縦室から短時間で実施できる簡単なアップデート作業で済む。一方、約1000機の古い機体はハードウエアのアップデートが必要となり、整備期間中は地上待機を余儀なくされるという。関係者は非公開情報として匿名を条件に語った。

エアバス「A321neo」の操縦室

原題:Airbus Warns A320 Fleet Needs Software Fix After Incident (3)(抜粋)

(全日空の発表を受けて、欠航便数などを更新します)

--取材協力:Kate Duffy.

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