(ブルームバーグ):デル・テクノロジーズやHPなど複数のテクノロジー企業が、向こう1年間に半導体メモリーの供給不足が生じると警鐘を鳴らしている。人工知能(AI)インフラ構築に伴う需要急増が背景にある。
中国の小米(シャオミ)といった家電メーカーは価格上昇への警戒を示し、レノボ・グループ(聯想集団)などはコスト上昇を見込んで半導体メモリーの在庫積み増しを開始した。カウンターポイント・リサーチは今月、メモリーモジュール価格が来年4-6月(第2四半期)までに50%上昇するとの予測を示した。
供給逼迫(ひっぱく)なら、スマートフォンから医療機器、自動車まで幅広い製品で製造コストが上昇する恐れがある。半導体メモリーはデータを保存する現代の電子機器ほぼすべてに使用されている。背景にはAI需要がある。半導体メモリーには処理を補助するタイプと情報を保存するタイプがある。メーカー各社はより複雑で収益性の高いAI向け新製品に生産を振り向けており、汎用(はんよう)的なメモリーの供給不足が生じつつある。

デルのジェフ・クラーク最高執行責任者(COO)は25日、アナリスト向け電話会見で、これほどのコスト上昇は同社として経験がないと指摘した。AI向け高帯域幅メモリー(HBM)やパソコン(PC)用チップを含むDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)のほか、ハードドライブやNANDの供給が厳しくなっていると説明。「あらゆる製品で原価基準が上昇している」と語った。
デルは仕様構成や製品ミックスを見直す方針だが、影響が顧客に及ぶことは避けられないとクラーク氏はみている。同社は価格改定を含め、あらゆる選択肢を検討する方針という。
米国の制裁措置も、新規参入の中国企業の技術力を制限することで供給逼迫を悪化させている。
HPは、2026年下期に状況が特に厳しくなるとみており、必要に応じて値上げする方針だと、エンリケ・ロレス最高経営責任者(CEO)がブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。
「下期の見通し作成に慎重に臨む」一方、メモリー供給元の拡大や製品に搭載するメモリーの削減など「積極的な措置を講じている」と述べた。同社は通常のPC1台のコストに占めるメモリーの割合を15-18%と試算している。

原題:Tech Firms From Dell to HP Warn of Memory Chip Squeeze From AI(抜粋)
--取材協力:Vlad Savov、Mark Gurman、Jessica Sui、Ian King.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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