(ブルームバーグ):富士フイルムホールディングスは25日、半導体材料を生産する静岡工場(静岡県吉田町)の敷地内に建設した開発・評価用の新棟を今月から稼働したと発表した。半導体材料事業を同社の成長ドライバーの一つに据え、投資ペースを加速させる。
発表によると、新棟では半導体の微細化に欠かせない極端紫外線(EUV)レジストなどの開発品の性能評価や、製品の品質評価を担う。人工知能(AI)半導体などの需要増に対応するため、生産能力増強や多様な顧客ニーズに応える技術開発を進めるとしている。
後藤禎一社長は同町で行われた会見で、EUVレジストを含む先端レジストのシェアについて、2030年度に「2割達成を目指している」と述べた。EUVレジストは昨年から販売を始めたが、先行するJSRや東京応化工業の製品とは技術が異なっており、商機はあるとみる。
同社は半導体材料事業をバイオ開発製造受託(CDMO)事業と並ぶ成長事業と位置付け、25-26年度の2年間で1000億円以上を半導体材料事業に投資する計画だ。先端レジストやシェアの高いCMPスラリーなど幅広い製品ラインアップを活用し、収益を拡大させる狙いがある。
同社は昨年9月、半導体材料事業を拡大させるために、静岡と大分にある開発・生産拠点に総額約200億円を投じると発表していた。このうち静岡工場内の新棟には約130億円振り分けられた。
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.