(ブルームバーグ):米国では感謝祭を前に七面鳥の生産が落ち込み、価格が上昇しており、慈善団体の食事支援(フードバンク)活動を圧迫している。多くの団体がホリデーシーズンの需要に応えられない状況に追い込まれている。
七面鳥の価格は今年44%上昇し、慈善団体の予算や在庫を圧迫している。テキサス州サンアントニオのフードバンクでは、価格上昇を理由に七面鳥の納品がキャンセルされ、29郡に食品を提供している同団体は1万6000羽の寄贈目標に対し約4000羽不足する見通しとなっている。
このフードバンクのエリック・クーパー最高経営責任者(CEO)は「七面鳥価格の上げ下げはこれまでもあったが、契約していたトラック単位の納品が実際にキャンセルされたのは初めてだ。集めた資金で確保できた七面鳥の数が少なかった」と述べた。
全米でこうした事態が広がっている。七面鳥や他のたんぱく質食材の値上がりにより、フードバンクは苦境に立たされている。トランプ大統領が生活費の上昇に苦しむ国民を念頭に物価の抑制を誓う中で、政府機関が一時閉鎖していた影響で食料支援が制限され、状況が悪化した。
供給減の背景には、養鶏場を襲う鳥インフルエンザの流行がある。さらに、消費者の好みが変化し、七面鳥離れの傾向があり、業界全体が低迷。パーデュー・ファームズは9月、インディアナ州の工場で約300人を解雇。カーギルも1月にアーカンソー州の七面鳥工場を閉鎖すると発表した。
米農務省は、七面鳥の生産量が40年ぶりの低水準になると見込んでいる。

原題:High-Priced Turkeys Strain Food Banks Ahead of Thanksgiving (1)(抜粋)
--取材協力:Deena Shanker、Ilena Peng、Jaewon Kang、Joe Carroll.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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