(ブルームバーグ):台湾は25日、トランプ米大統領が中国の習近平国家主席との電話会談後に台湾について公に言及しなかったことを歓迎し、台湾政府にとって「最良の結果」だと評価した。
台湾外交部(外務省)の呉志中政務次長は電話取材に対し、トランプ氏が沈黙を保ったことは、台湾が米中間の交渉における取引材料として扱われていないことを示すものだと指摘した。「われわれが言及されなかったことが最良の結果だ。つまり、われわれは取引の一部ではないという意味だ」と語った。
トランプ、習両氏は韓国で先月末に開いた首脳会談で貿易対立の一時緩和で合意して以来、初めてとなる電話会談を24日に行った。
電話会談では、貿易問題や台湾のほか、ロシアによるウクライナ侵攻などについても意見を交わしたとされるが、米国側の会談要旨には台湾への言及が含まれなかった。
台湾は習氏にとって最大の関心事項の一つ。中国メディアによれば、習氏はトランプ氏に対し、台湾の中国への「復帰」は第2次世界大戦後の国際秩序の重要な一部だと主張した。
呉氏は「台湾が中国の核心的利益であることは理解しているが、同時に日本と米国、欧州にとっても核心的利益だ」と述べ、さらに台湾政府は「米国と頻繁かつ緊密な意思疎通を維持している」と明らかにした。
「覇権主義」を非難
台湾はまた、中国との対立を深める日本をさりげなく支援している。頼清徳総統が対中姿勢をより強硬にする一方で、中国を刺激しないよう対応を慎重に調整しつつ、日本との連帯を示すスタンスを示した。
頼氏と林佳竜外交部長(外相)はここ数日、すしを食べる自身の写真を相次いで投稿。林氏は台湾人に対し、日本を訪れ日本製品を購入するよう呼びかけてもいる。中国は自国民に訪日自粛を求め、訪日のキャンセルが相次いだ。
台湾国家安全会議の呉釗燮秘書長は、「覇権主義が台湾を脅かし、フィリピンを威圧し、日本に嫌がらせをしている」とX(旧ツイッター)に投稿し、中国政府を非難した。
台湾外交部の呉氏は24日には「日本との関係は非常に強固だ」と記者団に語っていた。台湾外交部の蕭光偉報道官は25日の記者会見で、「台湾や日本、周辺国に対する威圧や圧力など、中国による度重なる権威主義的な拡張は国連の原則に違反している」と述べた。
こうした姿勢は、高市早苗首相への支持を示す意図がある。高市氏は日本の現職首相として数十年ぶりに台湾有事が日本の自衛隊出動につながる可能性に触れ、中国の強い反発を招いた。
ラジャラトナム国際研究院(シンガポール)のドリュー・トンプソン上級研究員は24日、「日本が武力行使を抑止する役割を果たす現状は、台湾政府にとって有利だ」との見方を示し、「中国政府の圧力に日本が屈するのは望ましくない。だが、その兆候はない」とコメントした。
中国政府は人口2300万人の台湾を自国領土の一部と見なし、「祖国統一」のため必要なら武力行使も辞さないとしており、中国の威圧的行動の危険性について声を上げている日本政府の姿勢は、台湾にとって貴重かつ明確な支援となっている。
原題:Taiwan Pleased Trump Didn’t Mention Island in Readout of Xi Call(抜粋)
(台湾側の発言などを追加して更新します)
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